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学長室

学長メッセージ集

No.06令和3年度 学位授与式 式辞

2022.03.23

 工学部・ライフデザイン学部そして大学院の皆さん、ご卒業おめでとうございます。
 またリアルタイム配信にてご視聴いただいているご家族など関係の皆さま、今日の佳き日をお迎えになられましたことを、心よりお祝い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染症の影響に加え、3月16日に発生した地震により、多拠点をオンラインで結ぶハイブリッド型の学位授与式となりました。本学としては初めての試みではありますが、令和三年度学位授与式を、卒業生・修了生をそれぞれの教室に迎えて、挙行出来ますことを大変喜ばしく思い、またご理解くださったご関係の皆様方に、東北工業大学教職員一同、深く感謝申し上げます。
 今年度の卒業生は、工学部、ライフデザイン学部の学生691名、大学院博士前期課程工学研究科およびライフデザイン学研究科を修了する大学院生22名、総計は713名であります。
 学部を卒業される皆さんは主として大学4年間の後半2年間を、博士前期課程を修了される大学院生の皆さんはその2年間を、新型コロナウイルス感染症の影響下で過ごしました。皆さんにとっても大学教職員にとっても初めての事態で、昨年度の前学期は皆さんの学びを何としても継続しようと、オンライン授業のための様々な工夫と試行に取り組みました。皆さんもよくついてきてくれたと思います。それでも昨年度後学期からはオンライン講義日と対面講義日を設定して、いわゆる三密を皆で回避しながら東北工業大学ならではの教育・研究体制を構築したのでした。今年度そして次年度も対面講義のビデオ収録と配信に取り組みます。何故なら、体調不良による欠席への対応のみならず、ビデオ教材を繰り返し視聴することによる学習効果の高いことが判明したからです。全世界的に進むDX(デジタルトランスフォーメイション)の教育分野でのひとつの現れです。本日のハイブリッド型の学位授与式も同様です。
 このDXを支える基盤は、様々な電子機器でありネットワークであり情報技術です。そしてDXが影響して働き方や住まいのあり方が変わりつつあり、過密な大都市とゆとりある地方との関係性が変わりつつあり、一層の環境配慮が求められるようになりました。デジタル社会における新たな産業や生活が求められ、変化の時代に対応できる経営の重要性が増しています。
 皆さんはこの急速なデジタル化を、それぞれの専門分野の学修の最中に体験した訳です。そしてこれからは、本学で培った専門知識とスキルを社会で活かすことになります。もちろん、まずは実社会で仕事を覚えることが最優先課題となるでしょう。業種・職種によりDX進展の程度は異なると思いますが、コロナ禍でデジタル化した学びの体験は、いずれ必ず役に立つと思います。
 皆さんのなかには、大学院博士前期課程もしくは博士後期課程に進学する方も多くいます。大学院生であれば、受け身の学びに留まることなく、積極的に能動的に最新・最先端の研究動向を把握し、指導教員らとの議論を通じて自ら研究課題を設定し、そして自らその解決にあたり、論文執筆等による社会への研究成果還元に努めてください。
 東北工業大学は、建学の精神を「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」と定めています。創立以来、57年の歴史を有し、約4万人もの卒業生を輩出しています。卒業生の各地・各分野での活躍と社会貢献が、社会より極めて高く評価されていることを、皆さんもご承知のことと思います。その評価は、本学での学びが基盤となり、先輩方のその後の弛まぬご努力が継続されての結果であります。本日卒業される皆さんも、先輩方が築き上げた社会からの信頼を継承し、より良き社会を築く一員になられることを期待します。

 以上、皆さんの卒業・修了にあたっての、学長挨拶とします。

令和4年3月23日
東北工業大学 学長 渡邉 浩文