
本学は建学の精神に基づき、堅実で社会に有用な教育そして研究を、半世紀以上にわたり真摯に実践してきました。2020年3月に発表された「THE世界大学ランキング日本版2020」においても、本学は「教育成果」の分野で全国85位、北海道・東北地区の私立大学で1位にランクインしました。卒業生がどれだけ活躍しているかを示す同分野で高いスコアを獲得したことは、企業の人事担当者、研究者の方々からの極めて高い評価を表すものです。
本学では、建学の精神「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」に基づき、所属する学部・学科に関わらず本学卒業生には共通で身につけてほしい汎用的能力(社会人基礎力)として「共通学士力」を、それぞれの所属学科で学ぶ高度な専門的知識や技術等の能力として「専門学士力」を明示しています。そして、学生一人ひとりの学士力が、入学から卒業までどれくらい獲得されているか、つまり本学での学修を通じて学生がどれくらい成長しているか、様々に確認して定期的にお知らせしています。例えば従来からの成績表に加えて、アセスメントテストを全学年で実施し、成績表からは読み取りにくい汎用的能力(「情報収集・分析力」・「論理的思考力」・「課題発見・解決力」・「コミュニケーション力」・「セルフマネジメント力」など)の測定を行い、全学生にフィードバックしています。
そして学生にしっかりと学士力を身につけていただくため、本学ではAEGG(エーエッグ)ポリシーを定めて、教育と研究に取り組んでいます。「A」はAdmission(入学者受入れ)、「E」はEducation(教育)、「G」はGuidance(学生指導)、もう一つの「G」はGraduate(卒業認定)を意味し、4つのポリシーに基づき東北工業大学は教育という人材育成に努めていることを示しています。この中でも特にGuidance(学生指導)ポリシーは、他大学には見られない本学独自の優れた点です。
近年注力しているのは、数理・データサイエンス・AIに関する教育の充実化体系化です。従来から各学科の専門教育科目や研究活動の一環で教授していたところですが、国の動向を踏まえ、2020年度より1年生のリテラシーレベルの教養教育科目として必修化、2021年度からは専門分野への応用基礎力レベルの教養教育選択科目も開設し、各専門学科での学修を経てエキスパートレベルの人材育成に努めることとしてます。これらの取り組みは、本学学生はもちろん一般の方々の学びにも貢献できるのではないかと考えております。
また本学では、定評ある堅実な専門教育に加え、地域・実社会で役立つ専門性を一層充実させるべく研究を強化しています。持続可能な未来の東北の実現を目指す東北SDGs研究実践拠点形成の取り組みです。本学の先進的な研究分野、すなわち防災・減災技術、医工学・健康福祉、そして地域・地場産業振興を研究拠点として、学内外連携を一層推進するものです。東日本大震災後に本学が主管校として提案し取り組んだ、学都仙台コンソーシアムにおける「復興大学」復興人材育成教育を「地域未来構築事業」として本学が継承・発展させ、東日本大震災からの復興の後の未来に向け、地域の産業振興・活性化と人材育成を図ることにも取り組んでいます。
社会の変化、環境の変化、そしてデジタル等技術の変化が大きく早く進む現代を、そして新時代を切り拓くのは若者です。変化の激しい時代であるからこそ、若者たちには確実な学士力を身につけていただきたいと、東北工業大学は考えております。
東北工業大学 学長
生年月日 昭和40(1965)年7月生まれ
教育歴
学 位
職 歴