東北工業大学

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学長室

学長メッセージ集

No.01令和3年度 入学式 学長挨拶

2021.04.05

学部生そして大学院生の皆さん、ご入学おめでとうございます。またリアルタイム動画にて視聴いただいているご家族、ご関係の皆さま、今日の佳き日をお迎えになられましたことを、心よりお慶び申し上げます。東北工業大学教職員一同、皆さんを本学の一員としてお迎えすることをとても嬉しく感じるとともに、卒業時にあるいは大学院修了時に、皆さんがどれほど逞しく成長しているか、大きな期待と、一方では責任感も覚えるところです。

今年度の新入生は、工学部、建築学部、ライフデザイン学部の学生843名、大学院工学研究科およびライフデザイン学研究科の大学院生37名、新入生の総計は880名であります。コロナ禍ではありますが感染予防を徹底し、本日、ここに新入生を迎え、令和3年度入学式を行うことが出来ますことを、たいへん喜ばしく思い、関係の皆様方に深く感謝申し上げます。

東北工業大学は、建学の精神を「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」と定めています。創立以来、五十七年の歴史を有し、約四万人もの卒業生を輩出しています。卒業生の各地・各分野での活躍が、社会より極めて高く評価されています。その評価は、本学での学びが基盤となり、先輩方の卒業後の弛まぬご努力が継続されての結果と受けとめています。本日入学された皆さんも、先輩方が築き上げた社会からの信頼を継承し、さらにより良き社会を築く一員になられることを期待します。

さて私たちは昨年度、新型コロナウイルスに大きく影響を受けました。皆さんも未曽有の一年間を過ごされたことと思います。本学でも同様でした。昨年三月の卒業式も四月の入学式も中止とせざるを得ず、急遽オンライン形式による講義を四月下旬から開始することにしました。しかしそのほんの半月ほどの間に、オンライン講義のためにLMS学修管理システムを増強し、クラウド環境を整え、オンライン教材の作成と配信の方法を学ぶ教職員研修会を重ねて、オンライン講義を開始しました。前期授業終了後には、学生・教員に対しオンライン授業に関するアンケート調査を実施し、その結果や学修履歴情報の分析を踏まえ、昨年度後期と今年度の授業は、オンラインと対面、双方の利点を活かしたより学修効果の高い教育方法を試行します。

新入生の皆さんには、このような新しい教育方法にて受講するための、パーソナルコンピュータと通信環境の準備をお願いしております。新型コロナウイルス感染症により否応なく迫られた「教育のデジタル化」ではありますが、変化を一種のチャンスと捉え、「できない」ことに囚われるのではなく、「できること」に、そして「より良くできること」に意識を向けましょう。

また東北工業大学は、学業だけでなく、様々な正課外活動も学生に推奨しています。クラブ・サークル活動をはじめ、資格取得、学外研修、そしてボランティア活動等々は、皆さんの人間的成長を助けます。チームワークや他者との協働は自分自身と考え方の異なる多様な人々への理解と意思疎通が必要で、多忙な学業と正課外活動との両立には、スケジュール管理など自己を律する能力が不可欠です。このような能力は近年、社会人基礎力や、ジェネリックスキルと呼ばれ、重要視されるようになってきています。本学ではこれらの能力を、卒業までに身に付けるべき「共通学士力」と定め、各専門学科での学修を通じて身に付ける「専門学士力」とともに毎年その成長を測定し、測定結果を学生個々にお戻しし、自らを客観的に理解することを通じて、皆さんそれぞれの一層の成長を促す取り組みも実践しています。

このように東北工業大学は、時代の求めに迅速に、そして何より学生ひとりひとりの成長のために様々に創意工夫を重ねています。この試みは教職員から学生に向けての一方通行的なものではなく、学生の皆さんとともに、新しい学び、そして未来の社会を形成するための創意工夫です。この試みは、もしかしたら難しい側面も有しているかもしれません。それでも皆さんと共に、願わくは楽しく、ワクワクする高揚感とともに、挑戦していきたいと考えています。皆さん、共に励みましょう。

以上を、皆さんの入学にあたっての、学長挨拶とします。

令和三年四月五日

東北工業大学 学長 渡邉 浩文