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学長室

学長メッセージ集

No.09令和4年度 学位授与式 式辞

2023.03.22

 工学部・ライフデザイン学部そして大学院の皆さん、ご卒業おめでとうございます。リアルタイム配信にてご視聴いただいているご家族など関係の皆さま、今日の佳き日をお迎えになられましたことを、心よりお祝い申し上げます。また、1名に限定させていただきましたが、久しぶりにご家族など関係の皆様を会場にお迎えし、学位授与式を挙行出来ますことを大変嬉しく思います。誠におめでとうございます。
令和4年度の卒業生は、工学部、ライフデザイン学部の学生808名、大学院博士前期課程工学研究科およびライフデザイン学研究科を修了する大学院生32名、博士後期課程では工学研究科にて4名、総計は844名であります。
 皆さんは新型コロナウイルス感染症の影響下で学修しました。皆さんにとっても大学教職員にとっても初めての事態でしたが、オンライン講義と対面講義を設定して、東北工業大学ならではの教育・研究体制を構築しました。その取り組みは時機を踏まえて検証し、さらに改善を図るという、PDCAサイクルを回しながらより効果的な学修を目指すものでした。今年度からは対面講義の自動録画とその配信を実施しました。何故なら、体調不良による欠席への対応のみならず、ビデオ教材を繰り返し視聴し復習することによる学修効果が高いことが判明したからです。新聞等のマスコミにも取り上げられたこの先進的な取り組みは、全世界的に進むDXデジタルトランスフォーメイションの教育分野でのひとつの現れでもあります。
 このDXを支える基盤は、様々な電子機器・デバイスでありネットワークであり情報技術です。そしてDXが影響して学び方、働き方そして住まいのあり方が変わり、過密な大都市とゆとりある地方との関係性が変わりつつあり、一層の環境配慮・グリーントランスフォーメイションも求められるようになりました。このGXについて、政府はグリーン成長戦略を策定し、成長が期待される14の成長分野を明示しています。その多くに東北工業大学は関係しています。つまりデジタル&グリーンという科学技術で、現代社会は変化の時代を乗り越えようとしていますし、本学で学んだ皆さんこそが、変化の時代を乗り越えるためのDX・GXに対応できる貴重な人材である訳です。
 また皆さんのなかには、大学院博士前期課程もしくは博士後期課程に進学する方も多くいます。大学院生であれば、受け身の学びに留まることなく、積極的に能動的に最新・最先端の研究動向を把握し、指導教員らとの議論を通じて自ら研究課題を設定し、そして自らその解決にあたり、論文執筆等による社会への研究成果還元に努めてください。
 皆さんは、本学で培った専門知識とスキルを社会で活かすことになります。もちろん、まずは実社会で仕事を覚えることが最優先課題となるでしょう。しかし皆さんが、いずれ未来を構築し担っていくのです。東北工業大学は、建学の精神を「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」と定めています。創立以来、58年の歴史を有し、約4万人もの卒業生を輩出しています。卒業生の各地・各分野での活躍と社会貢献が、社会より極めて高く評価されていることを、皆さんもご承知のことと思います。その評価は、本学での学びを基盤として、先輩方の弛まぬご努力が継続されての結果であります。本日卒業される皆さんも、東北工業大学で学んだことを誇りにし、先輩方が築き上げた社会からの信頼を継承し、より良き社会を築く一員になられることを期待します。

 以上、皆さんの卒業・修了にあたっての、学長挨拶とします。

令和5年3月20日
東北工業大学 学長 渡邉 浩文