東北工業大学

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学長室

学長メッセージ集

No.23学位授与式 式辞

2017.03.22

本日ここに、晴れて学位を授与された皆さん、おめでとうございます。東北工業大学を代表して、心よりお祝いを申し上げます。
また、皆さんを支えてこられた保護者の皆さまにも、心よりお慶びを申し上げます。
本日卒業する学部学生は、工学部394名、ライフデザイン学部169名、合計563名。
大学院博士(前期)課程の修了生は、工学研究科16名、ライフデザイン学研究科2名、大学院博士(後期)課程の修了生は工学研究科1名、合計19名。卒業生・修了生の総計は582名であります。
皆さんの入学は、2013年およびそれ以前ということで、東日本大震災に遭遇した時期にあたり、地域の復興・再生を志して入学された方も多かったのではないでしょうか。
卒業生・修了生の皆さんは、これまでさまざまな困難を克服し、ご家族の皆さんの支えと周囲の方のご協力のもとに、本日の栄えある学位授与式を迎えることができました。
お祝いとともに、皆さんのその努力に敬意を表し、ご支援され、励ましてくださったすべての皆さんに、感謝とお慶びを申し上げます。
本学は「わが国、特に東北地方の産業界で、指導的役割を担う高度な技術者を養成する」という建学の精神をもって、1964年に創設されました。すでに半世紀を過ぎ、これまで輩出した約35,000名の卒業生・修了生の活動は、東北地方のみならず国の内外において、地域を支え、社会に貢献しています。
本学は21世紀の初頭に、建学の精神と教育の理念を端的に表わすために、大学のスローガンを定めました。
それが「創造から統合へ 仙台からの発進」という言葉です。
みなさんも先輩に倣い、仙台から未来に向けて発進してください。

卒業・修了にあたり、改めてこの言葉の意味をお伝えしたいと思います。
「創造」とは、新たに作ること、新しいものを造り出すこと、という意味です。
皆さんが学んできた学問は、工学やライフデザイン学ですが、新しい理論・技術・製品・デザイン・環境・様式、そして豊かさなど、造りだされるものは大きな広がりがあります。
新しいことを考えることが創造ですし、皆さんのような若い人材が育つことも、創造といえるのです。
そして「統合」とは社会や人々の役に立つ、貢献するということですので、「創造から統合へ」というのは、創造されたものを社会に役立てるということ、世界の人々・人類に貢献するということを、本学のスローガンとしているということです。
皆さんは、本学のカリキュラムや教育を担った教職員など、整った教育環境において、在学中に創造および統合する能力を備え、専門家としての必要な素地と、人間力を蓄えたことで大きく成長できたものと信じております。
その具体の能力を、本学は教育で備えるべき学士力として明らかにしています。
それらを①知識と理解力、②理論的思考と分析スキル、③協調性と適応力、④コミュニケーションスキル、⑤課題発見とその解決能力、そして⑥国際理解力と語学力という、6つの項目にまとめています。
知識や理解力としては、教養や専門学科で特化した能力も含まれています。
本日、皆さんはそれぞれの分野に関する学位を授与されました。
本学が求める学士力を備え、それぞれの学位に見合う能力の証としての学位です。
日進月歩で技術は発展し、社会は変貌しておりますので、皆さんはこれから新たな課題に直面することが多くあると思いますが、誇り高く自信を持って臨んでいただきたいと思います。

皆さんが会得した学士力、学位を今一度確認しておきましょう。
いろいろな課題に対応する基礎知識と、それを活用する能力、基本的な方針やポイントの整理に基づく全体計画と、順序立てた実施計画の策定、計画の進行に伴う総括、見直しと再計画、そして周りの方々との意見交換や協同作業によって切り拓いていく手法などを学んできました。
自身の課題を考えるとき、もちろん専門的な観点と、社会の人々の視点も取り入れること、その解決がどのような社会的意義を持つことになるか、人類にどのように役立つか、という視点も大切にしてきました。
みなさんが本学で得たものは、これから当面する課題や仕事上はもちろんのこと、一生涯にわたって大きな推進力となるはずです。
そして大学時代に成長できたように、その能力は年齢を重ねるにしたがって、バージョンアップしていくことになります。

スローガン「創造から統合へ」は、大学のスローガンですが、人生のスローガンとしても価値がある言葉です。人生を切り拓いていける言葉です。
自分自身の可能性を信じ、社会のため・地域に生きる人々に貢献するために、これからも誠実で正直に、そして謙虚に取り組み、みなさん自身の定めた目標に向かって歩んでいただきたいと思います。

最後に、皆さんに愛情を持って接した教職員、そして過ごした東北工業大学ならびに、ともに学んだ学友を忘れないでください。
仙台で成長し、仙台から発進する、皆さんのこれからの人生が豊かでありますことを祈念して、式辞といたします。

平成29年3月17日
東北工業大学 学長 今野 弘