就職するということはやりがいを感じる舞台へのスタートです。
福沢諭吉は 「世の中で一番楽しく立派なことは一生を貫く仕事を持つことである」といっています。 仕事をもつということは、これまで皆さんが培った能力を活かす場を得ることであり、みなさんの人生の長い年月を費やして、皆さんが人生を歩む場でもあるということです。
私から本日の進路指導集会でみなさんに伝えるポイントは2つです。
第1のポイントは、その舞台をいかに、どのように見つけるかということです。
今の時点では、
• 企業名まで特定できている、だけどそこに入れるかどうかわからない
• 分野、業種などは決めていて、企業をしぼるだけの段階
• 私を雇ってくれるなら どこでもよい
• まだ全く何も決めていないし、これからも決められそうにない
特定できているなら、それはそれで良いですが、いずれの場合にも、本学の、この合同企業説明会を最大限活用することです。
本日の参加企業は、すべて本学卒業生を採用している会社です。どの会社にも卒業生がいます。そして「本学の卒業生がきちんと育っている会社」ということで、これはとても大切なことです。「みなさんの先輩がお世話になり、成長して満足できる人生を保証してくれる会社」 といっていいでしょう。
したがって自分で選ぶことができない場合には、研究室の指導教員あるいは、阿部先生を初めとする就職担当の教員にたずねるのもいいでしょう。
自分で決められないからと恥じることはありません。教員や周りの人に勧められて入社した会社で、大きく成長している先輩も多いのです。
舞台は自分で選ぶ、合同企業説明会の会社から選ぶ、教員などに決めてもらう、いずれも結構です。
第2のポイントは、大切なのは「決めるまで」とともに、「決めてから」が大切ということです。
「どのような舞台に上がるか」はみなさんが決めるべきことなのですが、最も重要なことは やりがいを感じる舞台かどうかということです。ただやりがいというのは舞台に立つだけではなく、その舞台をみんなで支え合うことも大切です。
みんなで協力して良い舞台にしていく、という気概が大切ということ、舞台を支えているという自覚と責任の重さも伴うということです。
舞台を選んだら、そこで一人前になるということが、まずは大切なのです。
精一杯努力できる舞台を見つけることが大切なのですが、それとともにそこで精一杯やってみることで、やりがいを感じる舞台になっていくということも大切です。
️
平成29年3月2日 東北工業大学 学長 今野 弘