学部生そして大学院生の皆さん、ご卒業・修了おめでとうございます。
令和7年度は、工学部、建築学部、ライフデザイン学部の卒業生770名、大学院工学研究科および建築学研究科の博士前期課程を修了する大学院生38名、卒業生・修了生の総数は808名です。皆さん誠におめでとうございます。
またご家族など関係の皆さま、今日の佳き日をお迎えになられましたことを、心よりお祝い申し上げます。皆さまを会場にお迎えして学位授与式を挙行出来ますことを、大変嬉しく思います。
思えば学部卒業生の多くは令和4年度入学式を、学内多拠点をオンラインで結ぶハイブリッド形式にて迎えられました。覚えておられるでしょうか。当時、令和4年3月16日深夜に最大震度六強の福島県沖の地震が発生し、令和3年度学位授与式そして令和4年度入学式会場の、この体育館が損壊したことにより、オンライン開催となったのです。新型コロナウイルス感染症からようやく抜け出しつつあった、その時に見舞われた地震災害には、いささかショックを受けましたが、私は、「できることを最大限に、効果的に実施する新たな試みであると、私はこの入学式を積極的に捉えています。皆さんには、不測の事態に柔軟に対応して、このような新たな取り組みに積極果敢な学風と、技術的側面であるデジタル化の定着に、着目していただきたいと思います。」と、式辞を述べました。
皆さん、入学後の4年間の学びを振り返って、本学の学風と皆さんの学びを支える様々な仕組み・仕掛けを、自らの成長に活かしていただけましたでしょうか。皆さんが日頃利活用していた授業録画配信システムや、ご家族もその一部にアクセス可能としたSTACと呼ぶ学生データベースシステム、皆さんの社会人基礎力を測定するアセスメントテスト、そして何より皆さんの専門の学び・専門学士力を明示して、その定着度合いを確認する取り組みも試行実施しました。すべては、皆さんひとり一人の本学での成長を丁寧に確認し、それをフィードバックすることにより、皆さんの一層の成長を期待してのものです。
このような、試行錯誤しながら自己点検評価し、最適解をカタチにしてその改善を継続していくような物事の作り込み方は、現代では標準的な手法のひとつではありますが、既存の組織、特に大学という一種保守的な組織で変革に取り組む本学は、実は極めて先進的であります。またこれらの取り組みは、本学のブランドスローガン「未来のエスキースを描く。」をまさに具現化したものと言えるでしょう。エスキースとは「素描する」という意味の言葉ですが、本学では、失敗を恐れず挑戦し続ける姿勢を、そして本学のオープンな雰囲気をも、エスキースという言葉に込めています。
皆さんは、本学で培った社会人基礎力すなわち共通学士力と専門学士力をこれから社会で活かすことになります。もちろん、まずは実社会で仕事を覚えることが最優先課題となるでしょう。しかし皆さんがいずれ、自らのそして社会の未来を構想・構築し、担っていくのです。未来のエスキースを描くことは本学を卒業・修了した後にこそ、必要なことなのです。
東北工業大学は、建学の精神を「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」と定めています。創立以来、60年余の歴史を有し、約4万人もの卒業生を輩出しています。卒業生・修了生の各地・各分野での活躍と社会貢献が、社会より極めて高く評価されていることを、皆さんもよくご承知のことと思います。その評価は、本学での学びを基盤として、先輩方の弛まぬご努力が継続されての結果であります。
本日卒業・修了される皆さんも、東北工業大学で学び成長したことを誇りにし、社会からの信頼を継承し、より良き社会を築く一員になられることを期待します。
以上、皆さんの卒業・修了にあたっての、学長式辞とします。
令和8年3月19日
東北工業大学 学長 渡邉 浩文