国際交流 国際交流

HOME > キャンパスライフ > 国際交流 > NEWS & TOPICS

NEWS & TOPICS

タイの文化を味わってみませんか

お知らせ

経営コミュニケーション学科 准教授 (国際交流委員会) 佐藤飛鳥


 本学と泰日工業大学(以下TNI)は 2年に1度シンポジウムを開催し、教員の研究交流及び学生の異文化交流を行っています。つまり、4年に1度タイでの交流、その2年後に日本での交流(先方が4年に1度来日することになります)を繰り返しており、TNIは本学の協定校の中でも最も活発な交流をしている大学の一つです。今回はTNIにて開催された国際会議に応募し、丸山教授、角田准教授、クック講師、TNIから本学に留学中の研究生ナパパットさんと私が研究発表を行いました。バンディット学長、ラッティコン情報学部学部長、水谷先生をはじめ、TNIの先生方には今回も手厚い歓迎を受けました。
 今回の訪問で先方と協議の上、今年2016年8月5日のTNIの大学祭に学生5名程度と教員が参加することも決まりましたので、学生の皆さんにタイに興味を持ってもらうために、今回のタイの滞在時に体験したことを紹介したいと思います。
 スワンナプーム国際空港に降り立った瞬間、モワッとした熱気に包まれました。仙台空港を早朝に出発し、いつもより肌寒かったところから、急に39℃を越す湿気を含んだ蒸し暑さに放り込まれたわけです。すぐにホテルに向かいましたが、タイは時間帯によって渋滞に巻き込まれますから注意が必要です。また、道路の整備状況が良くないところもあり、スピードを出すたび上下にかなり揺れます。車酔いをしやすい人は前の方に座ることをおすすめします。
 ICBIR*当日は、クーラーが効きすぎている部屋と調子の悪い部屋とで行ったり来たりしながら幅広い分野の研究発表を聞き、質問をして理解を深めました。共通言語は英語ですが、話者によって単語の最後を発音しなかったり、文章のイントネーションの抑揚の波がかなり違ったりして国際学会らしさにあふれていました。そこで食べたランチはそれなりに辛く、またパーティーの料理はなぜかすべての料理が甘い味付けで、暑い気候に合わせて汗をかき、失ったカロリーを補給するための栄養を取った気がしました。香辛料の硬い豆のようなものが入っていることがありますから気をつけましょう。現地の人は食べていませんでしたが、ぱっと見グリーンピースですので噛んでしまいます。
パーティーでは団長の石川副学長(国際交流委員会委員長)が挨拶し、TNIスタッフへの感謝と2校の協定の歴史を紹介して、さらなる関係の深化を約束しました。

*International Conference on Business and Industrial Research

ICBIRオープニング挨拶。
真剣に基調講演に耳を傾けるクック講師。
丸山教授の発表。
発表後の参加証明書授与。
石川副学長(国際交流委員会委員長)のスピーチ。
泰日工業大学エントランスにて記念撮影。

 今回の訪問団と現地の方を紹介します。左から、TNIの学生、愛称アイスさん。彼女は日本語を勉強し始めて2年だそうですが、漢字の勉強もするほど日本語が上達しています。2番目はTNIで教員をしており、博士号取得を目指して現在角田研で研究生をしているナパパットさんです。3番目は共通教育センターのサイモン・クック・ダニエル講師です。Complex Dynamic Systemsを用いた学生の学習モチベーション向上について発表しました。4番目は経営コミュニケーション学科の佐藤飛鳥准教授です。地元企業の支援を目指したProject Based Learningの実践・手法と学生の成長について発表しました。5番目は団長の石川善美副学長です。TNIとの今後の交流を深めるため、協議の中心となりました。6番目は知能エレクトロニクス学科の丸山次人教授です。高齢者が坂道でも安全に歩行できるように開発中のシルバーカートについて、八木山の坂道を使用したビデオも見せながら発表しました。7番目がラッティコン情報学部学部長です。日本の大学院への留学経験があり、非常に流暢な日本語を話されます。前回(2年前)の本学でのシンポジウムにも参加され、今回の交流協議、タイのご案内もお引受けいただき大変お世話になりました。8番目が情報通信工学科の角田裕准教授です。様々な分野で利用が急拡大中のInternet of Thingsのシンプルで安全な社会モデルについて発表しました。9番目、右端が教務学生課の村口美佐さんです。国際交流の担当として、皆さんが安心して海外(短期)留学・研修を出来るようにサポートをしてくれます。また、受け入れ時の窓口担当でもあり、来日前の留学生の所属大学とのやり取り、来日後のアフターケアも行っています。
 このように、本学所属の教員の研究領域も幅広く、国際学会で発表し活躍しています。学生の皆さんにとっても最新の研究を取り入れた講義を聞くことができるということです。


「タイらしさ」の体験 その1 タクシーにて

 ホテルからTNIまではタクシーで行くのですが、日本のタクシーでは絶対にありえない経験をしました。英語の住所であれば自信を持って道がわかりますが、ドライバーはタイ語のみ、標識もタイ語表記で理解できません。ホテルでTNIの住所をタイ語で書いてもらった紙を見せて出発しました。今回の訪問団は6名でしたから2台のタクシーに分かれてTNIに向かい、出勤時間帯は渋滞になることもあり、TNIまでの経路は乗車するたびに異なっていて、先に出発したタクシーのほうが後に着いたりもしました。2日目の朝、昨日とは違う道だな、と漠然と思いながら乗っていると、タクシーは突然左側に幅寄せを始めました。そして 1台のリヤカーに向かってクラクションを数回鳴らしたのです。
 そのリヤカーはさとうきびジュースの屋台でした。お客さんを乗せ、タクシーのメーターを回したまま、我々には何も告げずに自分の買い物をしたのです。ドライバーは全く悪びれる様子もなく、屋台にお金を払って再び車を走らせました。着いた時の金額はそこまで遠回りした感じではありませんでしたから、これがタイのやり方だと考えて細かいことは気にしないことにしましたが、やはり衝撃を受けました。


「タイらしさ」の体験 その2 信仰の深さ
アユタヤのワット・マハータートにある木の根で覆われた仏頭。仏頭より高い位置から写真を撮ってはいけないと注意書きがある。

 大学間の交流ももちろんですが、異文化理解を深めるためには是非市内の寺院(ワット)やアユタヤなどの歴史遺産にも触れて欲しいと思います。ビルマとの壮絶な闘いの結果、仏像の頭部が無残にも破壊され、埋め込まれていた高額な宝石や、貼られていた金箔を溶かすために集められ、体とは引き離されてしまいました。

 タイの方は90%以上が仏教徒とのことで、至る所に寺院があります。仏像に金箔を貼ったり、線香を立てたり、オイルを注いだりと、さまざまな方法で信仰の表現をします。日本でも京都の神社仏閣を観光する人々は多くいますが、タイでは地元の方と思われるタイの方が信仰深くお参りをしに来ているため、どの寺院もかなりの人出です。タイに行く際は暑いですから露出の多い格好で行くと思いますが、寺院では敬意を払うために露出を控えましょう。布の貸出もあります。また、神聖な場所ですから靴を脱がなくてはならない場所が多いです。脱ぎ履きしやすいスニーカーを用意しましょう。また、アユタヤの世界遺産は当時のレンガのままで歩きにくい場所も多いですから、足首をひねらないように気をつけましょう。
 今回は残念なことにワット・ポーの寝釈迦仏の足の裏部分が修復中で見られませんでした。また、船でチャオプラヤ川を渡ってすぐのワット・アルンにも行きましたが、改修工事中で、前回(4年前)訪れた時には塔のかなり上まで登れましたが、今回は途中までしか登ることが出来ませんでした。

ワット・ポーの寝釈迦仏、全長49m。写真に収まりきらないほど大きい。
火が燃え続けるようにオイルを注ぐ人々。生まれた曜日により像が決まっている。手前から月曜日。
ワット・アルンの塔は1体1体違う像が支えている。異国情緒あふれる顔。

「タイらしさ」の体験 その3 船上レストランにて

 前回(4年前)のシンポジウムでTNIにきた時も、毎年実施しているTNIのサマープログラムに参加する学生も、チャオプラヤ川沿いにある船上レストランに連れて来ていただき、時折通る貨物船を眺めながら食事をしました。おそらく次回8月に行く皆さんも連れて行ってもらえるでしょう。先頭の小さな牽引船が驚くほど大きな貨物船を2艘連結で引っ張っている姿には驚きます。今回は前回と違い、痛覚を刺激するほどの辛い料理を口にすることはありませんでした。観光地には多くの屋台が出ていますが、お腹を壊すこともありますから十分注意しましょう。食べ慣れていない日本人の免疫ではクラッシュアイス、生野菜、生フルーツ等は避けたほうが無難です。

チャオプラヤ川沿いにある船上レストランでランチ。
大皿から取り分けて、「いただきます。」

「タイらしさ」の体験 その4 水上マーケットにて

 水上マーケットはカラフルで、おみやげの価格も最高に安いです。アユタヤにもおみやげ屋さんがありますが、観光地価格でかなり高く、同じうちわが水上マーケットでは10バーツ、アユタヤでは50バーツと5倍の価格差でした。ある屋台の店主はド派手な衣装のニューハーフでした。写真を撮り忘れたのが悔やまれます。

安いTシャツは100バーツ(350円)ほど。
Tシャツやお菓子、小さな置物、鞄などゾウモチーフのものがたくさん売られている。
ゾウに草をあげました。左:ナパパットさん、中:角田准教授、
右:TNIラッティコン情報学部学部長
ゾウに乗ることも出来ます。

泰日工業大学との今後の交流について
今後の交流についての協議前に記念品(盧准教授デザインの日本手拭い)の贈呈 (左:TNIバンディット学長、中:TNIラッティコン情報学部学部長)

 今年(2016)8月5日のTNIの大学祭に本学学生(5名程度)・教員も参加させていただくことになりました。日本漫画のコスプレ、ウェブデザインコンテスト、アニメーション作成のコンテスト、和太鼓やよさこいの披露など、タイの学生たちも日本の学生と同様に興味を持っている日本文化の紹介と交流を行う予定です。実はコスプレが趣味の君、ダンスが得意で「魅せたい」と思うあなた、タイに友人が欲しくて日本の良さを紹介したい皆さん、是非応募してください。市内寺院やアユタヤの観光も出来るかもしれません。この他、TNIでは毎年「サマープログラム」を実施し、多くの学生が参加し世界への扉を開いています。こちらへの応募もお待ちしています。2017年、TNIは10周年を迎えます。本学との交流プログラムについても今後協議を重ねながら両校の関係を深め、タイと日本との結びつきを強くしていきます。興味を持った皆さん、世界に飛び出す第一歩をタイから始めてみませんか。 教員が同行し、サポートしますから安心して応募してください。