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※教員の所属・役職及び学生の学部・学科・学年は取材当時のものです。

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チェコ通信 Vol.2

Extra.02 小出 英夫(都市マネジメント学科)

5月14日に仙台を離れ、チェコ共和国(Czech Republic)Brno(ブルノ)市での生活もほぼ1か月が経ちました。「長期滞在許可」も無事に取得でき、予定通り来年1月までの滞在が可能となりました。市内のバス・トラムの定期券も購入し、少しずつBrno市民に近い生活を送るようになってきました。

私にとって初めての長期海外滞在であり、これまでの国際学会出席等による一週間前後の短期滞在とは活動内容や範囲・接する人々の範囲も大きく異なり、多くの面でとても刺激的な毎日を過ごしております。小さなことですが、海外で床屋にも本日初めて行きました。

前回のチェコ通信Vol.1、こちらではもちろん日本語は誰もわかりませんが、掲載された写真を見て、招聘いただいたProf. Novak(土木工学部副学部長、構造力学学科長)はじめ、皆さんに大変喜んでいただけました。あらためて、HPによる情報発信の威力を感じたところです。

 

ところで、「日本語は誰もわかりませんが・・」と書きましたが、文中の数字と単位は理解が可能です。Vol.1の最後の文章、「とにかく皆、背が高いです。研究室の同室のポスドク2人はともに195cmぐらいで」との画面表示の“2”と“195cm”を見て、その同室のポスドク2人からすぐに「俺たちのことだろう。今度のVol.2では必ず写真を出してくれ」との要望があり、まずは今回掲載します。ともに授業担当、学部生・院生の研究指導を非常勤ですが行っています。彼らから日々、いろいろとチェコについて教えてもらっています。

同室の2人のPh.D. アレッシュ(左)とロマン

 

大学の私の部屋のドア表示

こちらは今、卒業のための最終試験(卒論発表含む)のシーズンです。先日、学部の最終試験に同席させていただきました。学生一人45分で、部屋には当該学生が一人と8人程度の審査担当教員。先ずは学生が入室後、15分程度で卒論内容をパワーポイントを使用してプレゼン、その後指導教員が当該学生の前で、その論文の評価を含むその学生のこれまでの学業成績等について審査員に口頭説明(この間、学生は直立不動)、その際、優秀な学生の場合は、大学院進学に当っての奨学金申請の依頼(推薦文の読み上げ)や学部長賞等の各種賞への推薦の説明もあります。その後、審査委員長から事前に学生に伝えていた研究に関する質問事項の紹介と、それに対するに回答を学生が再度プレゼン。そして、それぞれの審査員との質疑応答、最後に専門分野に関する口頭試問(少し難しい静定構造物の曲げモーメント図等をその場でホワイトボード上に解答させる)がありました。質疑終了後、学生は一旦室外に出され、その間に審査員で各種審査項目に対して評価の意見交換を行い、その場で評価結果を決め、推薦依頼に対する推薦の有無等も最終決定します。そしてその内容を、再度入室した学生に対して伝え、学生が「デュクイ( Děkuji ありがとう)」と言って退室します。ここまでが、一人45分の最終審査の内容です。

この1か月で初めて見る、教員及び学生のスーツ姿でした。私と同室のロマンが指導しているいつも元気で陽気な学生も、この日は別人かと思うぐらい緊張していました。

学部卒研生の最終試験での研究発表風景(スクリーンの下には専門試験解答用のホワイトボードが準備)

指導教員による当該学生の研究内容や学業成績等の報告

こちらでの研究活動もスタートし、先ずは定期的にNovak教授や他の先生方との意見交換や各種実験への参加、私の保有するコンクリートの直接引張試験に関するデータをどのように数値解析に取り込むか等を議論しています。こちらの学科会議の際に少し時間をいただき大まかな内容を説明させていただきましたが、7月中旬には私の研究講演会を開催していただけることになり、現在、その準備もしているところです。

複合ガラスの破壊実験への参加時の様子(プラハ工科大学との共同研究)

ところで、先日、Novak教授の部屋で研究の打ち合わせをしている時、ふと壁の小さなホワイトボードを見ると、確率・統計に関わる分野では重要な基本公式(?)が書かれていました。詳細説明はここでは省略しますが、例えば「ばらつきを持つ確率変数Xに対して、その平均値の2乗の値は、Xの2乗の平均値とは異なる」というもので、とても基本的な性質を示す式です。こちらでは、理解が不十分な学生への個別指導が教員室にて時々行われており、その時に書かれたものと想像しますが、「いくら説明しても学生はこの式の意味を良く理解してくれない」とNovak教授が言い、私が「日本の学生も同じです」という会話を交えながら、この式だけでかなり話が盛り上がりました。

 

Novak教授の部屋での研究打合せ時に見つけたホワイトボード上に書かれた確率統計での重要公式(?)

まだまだ書きたいことはありますが、今回もここまでとします。

なお、Vol.1にて少し話題にしましたBrnoにある世界遺産「ミース・ファン・デル・ローエ設計によるトゥーゲントハット邸」が、実は私の宿舎から歩いて15分程度の所であることがわかり、先日行ってみました。写真をご覧ください。今から80年以上も前の建築物です。

 

では。

世界遺産のトゥーゲントハット邸

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小出 英夫 教授

研究分野:廃棄物のコンクリート材料への適用に関する研究

廃コンクリートの再利用で省資源の都市整備へ
都市の構築に不可欠な材料に関する実験をしています。役目が終わったコンクリート構造物や、コンクリート塊を新たな材料として再利用する実験など、省資源・省エネルギーなどに関わる研究を行っています。

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