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研究室・教員紹介

工学部 環境応用化学科

佐藤 善之 研究室

環境適合溶媒を考える

化学プロセスの中にはより環境に適した溶媒への転換が期待されているものがあります。当研究室では従来の環境に優しくない溶媒に代わり超臨界流体等を混合した溶媒を用いて、より環境に優しいプロセス開発につなげていくことを目指しています。

佐藤 善之

教授(学科長)

佐藤 善之

SATO Yoshiyuki

教員からのメッセージ

従来の化学プロセスでは多くの有機溶媒が利用されてきましたが、環境に対する意識の高まりから、超臨界流体やその混合系などからなる流体の利用が期待されています。本研究室では熱力学や相平衡に関する知識を利用し、これらの流体の特性を理解することにより環境にやさしいプロセスの開発を目指します。

学位

博士(工学) 広島大学2001年

略歴

1992年6月 - 2004年2月 広島大学 大学院 工学研究科 助手
2004年3月 - 2019年3月 東北大学 大学院 工学研究科 准教授
2019年4月 - 現職 東北工業大学 工学部 教授
2019年4月 - 2020年6月 東北大学 大学院 工学研究科 客員教授
2020年7月 - 2022年3月 東北大学 大学院 工学研究科 特任教授
2022年4月 - 現職 東北大学 大学院 工学研究科 客員教授

研究分野

超臨界流体とポリマーの混合系の相平衡や輸送物性を中心とした基礎物性

担当科目

  • 化学工学
  • 化学数学Ⅰ
  • 化学数学Ⅱ及び同演習
  • 応用化学実験
  • 有機合成化学
  • 大気環境工学

研究室所属学生の卒業研修(論文/設計/制作)

  • ガラス転移点近傍におけるメチルメタクレート/エチルアクリレート共重合体に対するCO2溶解度・拡散係数の測定及び推算に関する研究
  • 転落球式粘度・密度同時測定装置の開発とCO2膨張液体粘度の測定および推算
  • 結晶化度およびコモノマー組成の異なるプロピレン共重合体に対するエチレン拡散係数推算モデルの検討

研究テーマ

二酸化炭素塗装における溶剤選定法の開発

塗装はわが国最大の有機溶媒(Volatile organic compounds, VOC)排出源となっております。二酸化炭素を利用した塗装法ではVOCの排出を大きく減らすことができます。この塗装法における溶剤の選定法を研究しています。二酸化炭素を塗料に添加すると、使用する真溶剤によっては塗料中のポリマー成分が析出して塗装できないことがあります。このため、どのような真溶剤を選定すればポリマーの析出が抑制できるか、また効果的に粘度を低下させるにはどのような溶剤を選定すればよいか、検討する項目はたくさんあります。溶液化学的な観点から、相平衡と粘度の面から最適な溶剤選定法を開発します。

溶液重合条件におけるポリマー溶液の高圧相平衡

ポリエチレンの溶液重合では、溶剤の回収に多大なエネルギーが必要となります。モノマーであるエチレンを多量に重合溶液中に溶解させるとエチレンが貧溶媒として採用するため、ポリマーが相分離を起こします。これを利用するとポリマーリッチ相と溶媒リッチ相に相分離するため、溶媒の回収が省エネルギーに行えます。この基礎データとなる相平衡(気液平衡、液液平衡)に関する研究を行っています。

二酸化炭素添加によるポリマーのガラス転移温度・濃度の推算法の開発

ポリマーに超臨界流体を添加すると可塑化が生じます。可塑化の尺度としてガラス転移温度が挙げられます。ガラス転移温度の変化により、粘度や拡散係数といった輸送物性が大きく影響を受けることが知られています。このため、輸送物性を推定するにはガラス転移温度の推定できることが肝要です。本研究では二酸化炭素の添加によるポリマーのガラス転移温度測定とその推算法の開発に取り組みます。

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