工学部 電気電子工学科/医工学・バイオ系
辛島 彰洋 研究室
近年では社会の高齢化に伴って予防・診断・治療など健康福祉を支える研究分野である医工学の役割はますます増大しています。本研究室では、私たちの専門である電気電子工学と医学や生物学(生理学)を結びつけながらこの医工学、特に睡眠の研究を行っています。例えば、「なぜ人生の3分の1も眠るのか?」という基礎的な研究から、「睡眠の質や眠気の強さを数値化する方法」を開発する応用研究まで行っています。

学位
博士(情報科学) 東北大学2004年
略歴
2004年4月 - 2007年3月 | 東北大学 大学院 情報科学研究科 助手 |
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2007年4月 - 2015年3月 | 東北大学 大学院 情報科学研究科 助教 |
2015年4月 - 2018年3月 | 東北工業大学 工学部 講師 |
2018年4月 - 2023年3月 | 東北工業大学 工学部 准教授 |
2023年4月 - 現在 | 東北工業大学 工学部 教授 |
研究分野
医療・福祉への応用を目指した生体信号の計測・解析
担当科目
- 電気回路Ⅰ及び同演習
- 電気回路Ⅱ及び同演習
- 電気電子工学実験Ⅲ
- 電気電子工学研修
- 生体情報工学概論
研究室所属学生の卒業研修(論文/設計/制作)
- 磁気信号を用いたウェアラブル呼吸センサの開発
- 睡眠状態の簡易測定を目指した睡眠時呼吸信号の計測・解析
- 生体ガス計測装置の開発
研究テーマ
呼吸測定センサの研究
日常的に呼吸を測定することは,肺機能や疾病の有無,健康状態や運動能力の把握に有用であると考えられています。さらに、睡眠時の呼吸測定は睡眠時無呼吸の診断にとって重要です。しかし、現在用いられている呼吸センサの多くはセンサの装着感が悪く、日中と夜間に連続して記録することは想定されていません。私たちは24時間連続して呼吸を測定するための小型ウェアラブル呼吸測定器を製作しています。
眠気の強さや集中度の計測法の開発
自動車運転中の居眠りは重大な事故を引き起こす一因となっていて、ドライバの覚醒水準を検知することは重要です。たとえば、顔の表情を撮影してドライバの眠気をモニタリングする方法は、運転を妨げることなく手軽に測定できることから注目されています。私たちは、撮影された瞳孔の大きさや瞬きを解析する方法を工夫してより高い精度で眠気を検知できるシステムを作りたいと考えています。
人が感じるストレスの強度を数値化するための分析方法
現代では心理社会ストレスが健康を阻害することが知られていて、客観的にストレスを測定することが肝要と考えられています。例えば、コルチゾールというホルモンは、ストレスがかかると副腎皮質から放出されることが知られていて、ストレスのマーカーになると考えられています。コルチゾールは血漿中に多く含まれていますが、毛髪や爪にも蓄積されることが知られています。私たちは、誰でも簡単に自分のストレスを数値化できるようになることを目指して、爪や毛髪からストレスホルモンの量を分析する方法について検討を行っています。