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福屋 粧子 研究室:福屋 粧子 先生 × 小川 珠潮

建築学部 建築学科 福屋 粧子 研究室  (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)

LAB TALK:福屋 粧子 研究室:福屋 粧子 先生 × 4年生 小川 珠潮さん

現代の建築空間に心の豊かさをもたらすデザインを学ぶ中で運命的に出会った茅葺きの技法

福屋 小川さんが2年生の時、設計の演習で指導したよね。
小川 はい、先生には、集合住宅の設計を見ていただいて、親身にご指導いただきました。この演習のおかげで、エスキース(スケッチ)が好きになりました。
福屋 私は、集合住宅における家と家の関わりもデザインして欲しいと思っていたんですが、その意を汲み取って丹念に学ぼうとしている姿勢に熱意を感じました。
小川 この演習を受けて、先生の研究室に入りたいという思いが高まったんです。
福屋 小川さんの卒業設計テーマは「石巻の北上川下流の葦(ヨシ)原の活性化」で、インターン先も北上川の葦を使った伝統的な茅葺き工事を専門にする熊谷産業でしたね。本学科には建築史の研究室もあるから、そっちじゃないのかなと思ったんだけど…。
小川 いえ、違います。私は茅を現代の建築デザインで活用したいんです!
福屋 その組み合わせが、面白いですね! 大阪の梅田阪急ビルスカイロビーに「tomarigi(トマリギ)」という高低差がある湾曲した木製ベンチを手がけたんですが、私の場合、まず作りたい形や雰囲気を先行して考え、それに適した材料を選りすぐります。小川さんのような、素材である茅からデザインする考え方は新鮮に感じました。何がきっかけだったの?
小川 オフィスビルの設計課題で良い事例がないか、建築デザインの専門誌を読んで、屋根や壁などに茅葺きの技法が使われているデンマークの「ワッデン海センター」の記事を見つけ、衝撃を受けたのがきっかけです。
福屋 デンマークの建築家の作品ですが、日本の茅葺きのボリューム感とも通じるところがあって、素敵だよね~! 最近、坂茂さんや隈研吾さんといった有名な建築家も茅を使った建築デザインに取り組んでいますね。
小川 茅はとても注目されています。
福屋 小川さんが敷地とする北上川右岸は、茅の一大生産・加工地でもあるから、生業(なりわい)と一体となった建築空間になるといいですね。現場は近いからもっと深く掘り下げていかないと…。
小川 サスティナブルな建築素材としての茅の優れた循環性や、細くて柔らかい可塑性の高さなどにも魅力を強く感じているので、そういった長所も活かしていきたいです。
福屋 若い茅葺き職人も増えているし、家具デザイナーが製作した茅のテーブルもあるようです。小川さんも、小さなもので茅を使って何か作ってみたら?
小川 そうですね…卒業まであまり間もないんですが挑戦してみたいです!

建築デザインを形とはたらきから考える

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福屋研究室

福屋研究室では、社会に開かれた建築空間デザインを実践的な建築設計を通じて行っています。
東日本大震災からの復興まちづくり、空間や環境を実際に設計すること、展覧会やインターンシップなどの海外での活動を通して、人の心を豊かにする「建築デザインの力」を学びます。

福屋研究室

福屋粧子 教授

学  位:修士(工学)
研究分野:建築デザイン、家具デザイン、ランドスケープデザイン
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福屋粧子 教授

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