工学部 情報通信工学科/情報系
角田 裕 研究室
ネットワークを観て、知って、診る
我々の生活インフラとして欠かせないインターネットはとても便利なものですが、その一方で多くの危険もはらんでいます。危険に対抗するためには、ネットワークの状態を効率的に観て、何が起こっているかを正しく知り、異常があればその原因を適切に診断する必要があります。本研究室では、誰もがネットワークを安心して使える社会を目指し、ネットワークの運用管理とセキュリティ管理技術に関する研究に取り組んでいます。
学位
博士(情報科学) 東北大学2005年
略歴
2005年4月 - 2007年3月 | 東北大学 大学院 情報科学研究科 助手 |
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2007年4月 - 2008年3月 | 東北大学 大学院 情報科学研究科 助教(改組) |
2008年4月 - 2014年3月 | 東北工業大学 工学部 情報通信工学科 講師 |
2014年4月 - 2022年3月 | 東北工業大学 工学部 情報通信工学科 准教授 |
2022年4月 ‐ 現在 | 東北工業大学 工学部 情報通信工学科 教授 |
研究分野
ネットワークの運用管理とセキュリティ管理技術に関する研究
担当科目
- コンピュータネットワークI
- コンピュータネットワークII
- 情報通信工学実験I (担当テーマ:コンピュータリテラシー)
- 情報通信工学実験III (担当テーマ:コンピュータネットワーク)
- インターネット工学特論
研究室所属学生の卒業研修(論文/設計/制作)
- セキュリティを考慮したIoTデバイス運用モデルのプロトタイプ実装
- イントラネット内の未使用IPアドレスに到達するパケットの観測と分析
- 協調ホスト群の検出のためのUD Pペイロードの類似性に着目したホストのクラスタリング
論文
Feasibility of Societal Model for Securing Internet of Things
Hiroshi Tsunoda, Rodrigo Roman, Javier Lopez, Glenn Mansfield Keeni
KSII Transactions on Internet and Information Systems
Vol. 12, No. 8, pp. 3567-3588, 2018年8月
国際標準文書
L2L3 VPN Multicast MIB
Zhaohu Zhang, Hiroshi Tsunoda
Internet Engineering Task Force (IETF) RFC8502, 2018年12月
BGP/MPLS Layer 3 VPN Multicast Management Information Base
Hiroshi Tsunoda
Internet Engineering Task Force (IETF) RFC8503, 2018年12月
研究テーマ
セキュアなIoTデバイス運用モデルに関する研究
近年スマートスピーカーやWebカメラのような、いわゆるIoT (Internet of Things) デバイスが急速に普及していますが、そのセキュリティ対策が課題となっています。IoTデバイスを安全に運用するために、既存のネットワーク管理技術を応用したシンプルな運用モデルを提案し、そのプロタイプ実装の開発を進めています。
イントラネットにおける効率的な通信の監視方式に関する研究
ネットワークを流れるあらゆる通信を観測し理解することがセキュリティ管理上の理想です。しかし、膨大かつ多様な通信のすべての精査は困難で、現状は理想には程遠いと言えます。そこで、まず現在はOSやソフトウェアがユーザの操作とは無関係に行う「非ユーザ主導型通信」に焦点を絞って効率的に観測・精査して、その実態を明らかにすることを目指しています。
ダークネットに到達する通信の観測と分析に関する研究
インターネット上でホストに割り当てられていないアドレスの領域をダークネットと言います。ダークネットにはどんな通信も届かないはずですが、他のシステムへの侵入を試みる攻撃者やマルウェアによる無作為な通信が頻繁に届くことが知られています。その通信を観測して攻撃に関する情報を得るために分析を行っています。
社会活動
宮城県警察サイバー犯罪対策テクニカルアドバイザー
2016年より毎年委嘱を受け、県警察学校における学生向けの講話などを行っています。
宮城県警察大学生サイバーボランティア世話人
大学生サイバーボランティアは、大学生がインターネット上の違法・有害情報を発見し,しかるべき場所に通報する活動です。毎年、ボランティアに参加する学生を募り、活動に関するアドバイスを行っています。
インターネット安全教室開催協力
インターネット安全教室は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による情報セキュリティ啓発キャラバンで、一般利用者に情報セキュリティの基礎知識やインターネットを使用する上での心構えを啓発するセミナーです。2016年より研究室の学生とともに実演を交えた講義を用意し、学生がセミナーの講師を務めています。