工学部 情報通信工学科/情報系
グエン ヴァン ドゥック 研究室
AIとVRを用いた次世代情報通信技術の研究開発
テクノロジーは、私たちが学び方、遊び方、そしてコミュニケーション方法を変えています。私の研究はVR、AI及び通信技術を使用して人間に利益をもたらすスマートシステムの研究開発に焦点を当てています。具体的に、様々な日常タスクを人々とコミュニケーションを取り、支援できるAIロボット、実際の場所ではなく、ある場所にいるように感じることができるテレプレゼンスシステム、そして同じ部屋にいるかのように、仮想環境で友達とたむろできる仮想空間の研究開発を行なっています。
学位
博士(コンピュータ理工学) 会津大学 (2019年)
略歴
2019年10月-2021年2月 | KDDI総合研究所 研究員 |
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2021年04月-現在 | 東北工業大学 工学部 情報通信工学科 講師 |
研究分野
AIとVRを用いたスマート情報通信システムの研究
担当科目
- アルゴリズムとデータ構造及び同演習(1年次)
- コンピュータグラフィック技術(3年次)
- 機械学習応用(大学院)
業績
Google Scholar:Duc Nguyen
https://scholar.google.co.jp/citations?user=dJbcXdgAAAAJ&hl=en
受賞
- 最優秀学生論文賞3位 (IEEE Conference on Consumer Electronics国際学会、2015)
- 若手研究者論文賞 (IEEE Consumer Electronic Society, Japan Chapter、2015)
研究内容
VRを利用したキャンパスツアーシステムの構築
VRを活用した東北工業大学キャンパスツアーシステムをWebアプリケーションとして開発した. 開発したアプリケーションは全天球画像で再現したキャンパス内の探索機能,一部施設のリアルタイム全天球映像での見学機能, 複数ユーザーがツアーに参加できる機能の3つの機能が実装されている。VR空間内にて自身を中心とした全天球画像を表示し,進行方向には矢印型のオブジェクトを配置している.この矢印型オブジェクトにコントローラーのレイキャスターを接触させながらトリガーを引くことで,表示される全天球画像を変更し, その場から移動したかのように見せている。全天球カメラを設置した施設に入ると内部のリアルタイム全天球映像が表示される.
遠隔教育のためのテレプレゼンスシステム
WebRTCプロトコルとバーチャルリアリティを利用した遠隔教育用テレプレゼンスシステムを提案した。提案システムは教室の高画質の全天球画像を提供することで、遠隔受講者に没入感型体験を提供し、ローカルビューとリモートビューを組み合わせることでメモを取ることなど授業中のアクティビティを可能にした。また、WebRTCを使用することにより、低遅延の双方向コミュニケーションを実現した。
VR を用いた太陽系図鑑の開発
太陽系をVR空間上で再現し、太陽と惑星の位置関係、サイズ、詳細情報を確認できるVRアプリケーションを開発した。開発したアプリケーションでは、ユーザーが太陽系の宇宙空間にいるかのような状態なり、太陽と惑星の動きが再現されており、それぞれの惑星で自転、公転をしている。また、選択することで各惑星の詳細も知ることができる。
VRを用いた共同仮想空間の構築
地理的に離れたユーザーが同じ仮想空間上で共同作業を行うためのバーチャルリアリティシステムを構築した。提案システムでは、複数がVR空間上同じ作業を行えるため、VR空間の同期、オブジェクト操作の衝突回避機能が取り付けられる。
成長可能AIシステムに関する研究
チャットボットやアシスタントエージェント、ロボットなどの人気に伴い、学習した知識を蓄積し、新しい概念を学習する際や新しい問題を解決する際に適用できる機械学習アルゴリズムの必要性が高まっている。しかし、現在の機械学習では、タスクが個別に学習されるため、知識の蓄積や保持などの機能を実現するのに極めて難しい。本研究では、成長可能機械学習のための知識転移及び知識保持方法を開発することを目的としている。提案方法は、新しいタスクを学習するための有用な知識を過去の知識から抽出し転移することで、性能の高い機械学習モデルを実現する。また、効率的に知識の蓄積と維持を実現するために、共通の知識表現に基づく知識保持方法を提案する。人間と同等のレベルで物事を学習できる機械学習アルゴリズムを目指している。
VR空間内で授業を行うためのシステムの構築
離れた場所に居ても実際に3Dモデルを見たり,操作したりする疑似体験ができ,教師と生徒が,VR空間上で授業を行えるようなシステムを開発した。提案システムでは、ハンドトラッキングを利用し,コントローラーを使用しないで操作でき、教師側から3Dモデルの共有/回収などの操作ができる。また、オブジェクト情報の同期とマイク音声の送受信にはWebRTC,ゲストとホストの入退室と教室の空間制御にはWebsocketを使用した。