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木戸博先生×4年吉田裕貴さん(福島成蹊高等学校出身)

工学部 情報通信工学科 木戸研究室 (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)

LAB TALK:木戸博先生×4年吉田裕貴さん(福島成蹊高等学校出身)

プログラムの基本となる数学の重要性を痛感

研究室には無響室があり、そこで音声収録などを行います

木戸 吉田君とは声年齢の研究を一緒にやっているけど、”声”というものを学んでみてどうかな?
吉田 音声収録や聴取実験が楽しいです。音声をコンピューターに取り込む作業など、実験機器の操作には慣れてきましたが、音声波形から必要な情報を抽出するプログラムを組むことが難しいです。
木戸 プログラムの組み替えをするためには、ソフトウェアの基本を理解することがとても重要なんだ。でもそこが一番大変。ソフトウェアの基本となる数学もしっかりと学ばないといけない。これからまだまだ難しくなるよ。
吉田 高校生のころは数学が得意だと思っていたんですが、大学の勉強はやっぱり難しいですね。Java言語でアプリケーション開発の授業は、本当に苦労しました。
木戸 確かに大学の授業は難しいけど、どんな勉強も高校で基礎ができているなら心配ないよ。少しずつ積み上げていけばいいだけだからね。
吉田 大学の授業に、高校の勉強がこんなにもつながっているとは思いませんでした。
木戸 吉田君は大学院への進学に向けて、最近ますます集中力が増しているように見えるし。研究室全体にもいい影響を与えているね。
吉田 ありがとうございます。研究室は学校の中で一番好きな場所なんです。研究室の仲間とは、行き詰まった時に相談したり、一緒に息抜きをしたり、それぞれが集中して勉強したり、いい友達に出会えたと思っています。学校に来るのが楽しいですね。

研究室志望のきっかけは推理小説

収録した音声はパソコンに取り込み、可視化して、音声特徴の分析に使います

吉田 実は僕、推理小説や推理ドラマが好きで、木戸研究室のキーワードの一つの「声紋」に興味を持ったことがきっかけで木戸研究室を志望したんです。研究室では耳年齢や話者認識、統計学など、さまざまなことを学べるのがうれしいです。
木戸 推理小説がきっかけとは知らなかったな(笑)。音響学というのは純粋な工学とは少し違うから、心理学や統計学などが必要になってくるからね。よく勉強しているなと思うよ。
吉田 木戸研究室のおかげで、音響学や統計学を生かせるような仕事に就きたいという人生の目標ができました。
木戸 それはよかった。 吉田君は研究室配属の頃からまじめに取り組む姿勢がいいと思っていたけど、最近はまじめさに加えて、さらに考え方がしっかりしてきたね。3年生のころは漠然としていた将来について、夢を語れるようになってきたところに成長を感じるな。
吉田 大学入学時は、仕事というものをあまりイメージしていませんでした。この学科で情報、通信、電気回路など幅広く学ぶ中で、自分の興味を絞ることができたのが良かったと思います。
木戸 大学や大学院という場所は目的をもっていないと非常に難しい場所なんだよ。逆に、目標や学びたいという情熱を強くもって努力すれば、実力はどんどん身につく。夢を抱いている学生を応援する制度はたくさんそろっているから、頑張ってね。

「大学院では、耳撃情報という聞いた人の印象の傾向を分析して、何かを導き出すような研究をしてほしい」と木戸先生は吉田さんに期待を寄せています

人の記憶に残っている声の情報
(耳撃証言)を法科学などに
活用することを目指しています

人の記憶に残っている声の情報
(耳撃証言)を法科学などに
活用することを目指しています

木戸研究室

聞いた声の記憶を手掛かりに、声の持ち主に関する有効な情報を抽出することを目指しています。音声学、統計学、心理学、認知科学など、さまざまな領域を横断しながら音声に関する研究を進めています。

木戸研究室

木戸博 准教授

1987年、東北工業大学工学部電子工学科卒業。2001年、宇都宮大学大学院工学研究科博士後期課程修了。博士(工学)。警察庁科学警察研究所法科学第4部主任研究官を経て、現職。専門は音声情報科学・工学。
木戸研究室ホームページ

木戸博 准教授

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