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中川朋子教授×4年生 中嶋達也さん(岩手県立岩谷堂高等学校出身)

工学部 情報通信工学科 中川研究室 (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)

LAB TALK:中川朋子教授×4年生 中嶋達也さん(岩手県立岩谷堂高等学校出身)

自分で考える力

中川 中嶋くんの研究は、かぐや衛星が月周回軌道上で観測した磁場変動の解析だけど、解析するプログラムはほとんど自分で作ったんだよね?
中嶋 かなり作りました。作ったけど今は使ってないのもありますね。
中川 高校の時、プログラムの経験は?
中嶋 なかったです。大学1年の授業と演習をやって、できるようになりました。
中川 中嶋くんは、「こういうものを」と伝えれば、それを自力で作れる力があるよね。
中嶋 教科書に載っていることをなぞっていくのではなくて、自分で考えて解析ソフトを作って、それを使って新しいことを見つけていくのは大学だからできることですよね。楽しいです。
中川 研究テーマが決まるまでは大変だったね。研究室では「このテーマをやりなさい」とは言わないから。
中嶋 はい、テーマが固まるまで、ずいぶん紆余曲折しました。データを読み取ることはできるんですけど、そのデータを使ってどう研究テーマに落とし込んだらいいのかが定まらなくて……。
中川 一度「見つけた」と思ったものがはずれだったり。
中嶋 そうでした。
中川 でも、思うように成果が出なくても、すぐに立ち直る力があって、そして今度は本当に新しい現象を見つけた。
中嶋 はい、よかったです。

「宇宙科学は思ったより地道な作業の連続ですが、新しい現象を見つけた時はうれしいですね」と中嶋さん

中川 私が大学で一番大事だと思っているのが、「自分で考える」ということなの。
中嶋 考える力は、高校生の頃と比べものにならないくらい身に付きましたね。そして、自分の言葉で伝えようと努力するようにもなりました。
中川 確かに、中嶋くんは最近急に、説明が上手になったね!成長著しい。
中嶋 ありがとうございます。珍しく褒められました(笑)

新しいことにチャレンジし、世界を広げよう

地球磁気圏周辺のプラズマの流れを表示するソフトウェアも学生が開発

中川 中嶋くんは、入学前に一度大学に来てくれたよね。
中嶋 そうでしたね。高校の頃から宇宙の勉強がしたかったので、大学ではどんなことが学べるのか直接聞いてみようと思って。
中川 中嶋くんのそういうアクティブな面がとてもいいと思う。大学に来て、世界は広がった?
中嶋 はい。宇宙科学研究所のシンポジウムで、英語でプレゼンテーションしたのも良い経験になりましたし、インターンシップに参加した時は、学生では経験できないことができましたね。就職活動を通して、人に喜んでもらえる仕事に就きたいと強く思うようになったのも自分の中での変化でした。
中川 これからもチャレンジ精神を忘れないで、どんどん新しいことに挑戦して世界を広げていってほしいな。
中嶋 はい。頑張ります。

中嶋さんの研究は月探査衛星「かぐや」の磁場データ解析。太陽風によって起こる月周辺の磁場の変動を調べています

太陽風プラズマや惑星磁気圏など
宇宙科学の研究をしています

太陽風プラズマや惑星磁気圏など
宇宙科学の研究をしています

中川研究室

惑星や人工衛星に超音速で吹き付ける太陽風プラズマは、オーロラなど多彩な電磁現象を宇宙空間にもたらしています。中川研究室では、人工衛星や惑星探査機などから得られたデータを解析し、宇宙の謎に挑んでいます。

中川研究室

中川朋子 教授

1985年東北大学理学部卒業。1990年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了、理学博士。研究分野は、宇宙空間の磁場と太陽風の構造解析。担当科目は、解析演習I、II、コンピュータ数値解析ほか。
中川研究室ホームページ

中川朋子 教授

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