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工学部 建築学科 新井研究室 (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)
LAB TALK:新井信幸先生×4年生 今井早貴人さん(青森県立青森商業高等学校出身)
建てた後のストーリーを考えるということ
今井 僕の夢は、若い人もお年寄りも一緒になって楽しく過ごせる建物を作ることです。小さい時、よく祖父母に連れられて近所の喫茶店に出かけていました。個人経営の小さな喫茶店なのですが、そこに近所の人が集まって世間話をしていた。そういう場所って、最近少なくなっていますよね。地域の人が集まる居場所作りをしていくのも、建築家の仕事ではないかと思うんです。
「新井先生は厳しいけど、その厳しさが社会に出てから役立つと思う」と今井さん
新井 そうだね。単に建物を建てるだけではなく、その空間をどうプロデュースしていくかということは、これから重要になってくる考え方だと思う。コミュニケーションの場所を作りたいなら、その建物を使う人の気持ちをまずリサーチする。そして、建物の社会的意義をしっかり考えて、説得力のある建物を考案していくことが大事だね。
今井 ただ、それがなかなか難しいんです。ついつい、単に自分が「あったらいいな」と思うものを考えてしまう。
新井 うん、学生のうちはどうしても「これが作りたい!」と思う気持ちが優先してしまう。そうではなく、客観的な立場に立って、本当に社会に求められているものを考えていかないといけない。建築家は、建物を建てた後のストーリーを考えておくべきなんだ。
今井 本当にそうだと思います。卒業までに、新井先生の考え方や知識をたくさん吸収しておきたいです。
使う人の生活感覚を大切にしたモノ作り
今井 仮設住宅の支援をしている「仮設カスタマイズお助け隊」の活動でも、いろいろなことを学んでいます。玄関周りに設置するベンチや収納を作っているのですが、最初はなかなか手際よくいかなかった。でも、仮設に住んでいる元大工さんに手ほどきを受けたり、ゼミのみんなで試行錯誤したりしているうちに、丈夫なモノを作るコツを習得してきました。
新井 大学では、実際に使うものを作る機会がなかなかないからね。耐久性の重要さとかを、身をもって学んだんじゃない?
今井 はい、使う人の気持ちを考えながら作れるようになりました。ベンチの座面にささくれがあったら、女の人が座ったときにストッキングが破れちゃうな、とか。自分以外の生活感覚を考えながら作っていく意義が分かってきました。実際に使う人の意見を聞きながら作れたから、身についた感覚だと思います。
建築学科には国内外の建築がを展示するギャラリーもあります
古い建物やまちを
現代に活かす研究をしています
新井研究室
古くなった建物や空間に新たな価値を見出し、よりよく活かす方法やデザインのあり方を研究しています。具体的には、老朽化した集合住宅をアトリエなどの異なる使い方に変更する方法やリノベーションの仕方についての検討や、賃貸住宅を福祉的な目的で利用するための支援のあり方、まちの再生計画などについて調査研究を行っています。
新井 信幸 講師
1995年東京電機大学工学部建築学科卒業。1998年東京理科大学理工学研究科修士課程修了。建築設計事務所勤務やボランティア活動などを経て、千葉大学自然科学研究科博士課程修了。ハウジングアンドコミュニティ財団勤務を経て、現職。博士(工学)。
