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工学部 都市マネジメント学科 小出研究室 (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)
LAB TALK:小出英夫教授×4年生 安達弘晃さん(宮城県宮城野高等学校)
学んだことが自分の将来に直結
安達 コンクリートに興味をもったきっかけは、2年生の時に履修した小出先生の授業です。
ちょっとした配合の変化で性質がさまざまに変わるのが興味深く、研究しがいがありそうだと思いました。
「小出先生はとってもフレンドリー。ユーモアもあって、授業も分かりやすいです」と安達さん
小出 安達くんが研究している再生コンクリートの分野は、特におもしろい分野だよね。1960~70年代に建てられた建物が、これからの数十年でさらにたくさん解体される。その過程で出てくる廃コンクリートをいかにリサイクルするか、というのは今後の大きな課題なんだ。これから注目されていく分野だと思うよ。
安達 自分が将来どんな技術者になるのか、早い段階から明確なビジョンをもてるのが都市マネジメント学科のいいところですよね。学んだことが働くことに直結する印象があります。高校の時は、ずっと机に張り付いて、勉強ばかりしていました。でも大学では、科目も時間も自分で管理して進められる。さまざまな授業を通して、将来の選択肢が、具体的に想像できるようになりました。
小出 目標がしっかりしているから、就職活動で苦労する学生も少ないんだよ。僕の研究室は、毎年就職率がほぼ100%なのが自慢なんだ。
安達 僕が就職するのは、主に共同溝などのインフラ工事を請け負う専門会社です。若い会社なので、いろいろな分野にチャレンジできそうで、ワクワクしています。
小出 再生コンクリートの分野は、時代の最先端を行く分野だからね。きっと何年後かに、今の研究が仕事の役に立つと思うよ。
失敗を通して段取りの大切さを痛感
安達 研究室で卒業研究を始めてから、研究でも日常生活でも、段取りやスケジュールをきちんと考えてから進めるクセがついたように思います。
小出 そうだね、実験の段取りや計画を立てるのは段違いにうまくなったよね。前はよく失敗したりしていたけどね。
安達 はい。一番印象に残っているのは、強度の計算を間違えて試験の設定をし、実験用のコンクリートをダメにしてしまったことですね。実験用のコンクリートは、固まるまで1カ月近く待たないといけないので、一度失敗すると1カ月研究が滞るんです。あれには参りましたね。きちんと段取りして、スケジュール通りに進める大切さを身に染みて学びました。
小出 相手に伝わるように話したり、論理的に文章を書いたりするスキルも身に付いたように思うよ。
安達 ありがとうございます。先生に分かりやすく教えていただいたおかげです。それに実験は、研究室の皆と協力して進めないといけないので、上手にコミュニケーションをとる方法も分かってきた気がします。話し合いながら何かをやり遂げる経験が、自分を成長させてくれているな、と日々感じています。
「工大には、世界的にも数少ないコンクリートの実験装置があります。文字通り最先端の研究ができるんです」と小出先生
強度の高い再生コンクリートを
作るための研究をしています
小出研究室
都市の構築に不可欠な「材料」に関する問題を扱う研究室。役目が終わったコンクリート構造物やコンクリート塊を、新たな材料として再利用するための実験・研究を中心に、省資源・省エネルギーなどに関わるさまざまな研究を行います。
小出英夫 教授
1990年東北大学大学院工学研究科博士課程修了(土木工学専攻)。工学博士。同大助手を経て現職。2012年より学科長。主な研究テーマは、廃コンクリートの再利用などについて。
小出研究室ホームページ
https://www.tohtech.ac.jp/~civis/doboku/koide/koide.htm