東北工業大学

リレーエッセイ つなぐ 教員から教員へ リレーエッセイ つなぐ 教員から教員へ

※教員の所属・役職及び学生の学部・課程・学科・学年は取材当時のものです。

HOME > リレーエッセイ > 人との出会いが、大学を面白くする

人との出会いが、大学を面白くする

VOL.094 船木 尚己(建築学科)

大学教員という仕事について、「研究」や「授業」を思い浮かべる方は多いかもしれません。もちろん、そのどちらも大学教員の大切な役割です。しかし、日々の仕事を振り返ると、学内運営や広報、学生対応、地域連携、入試対応など、教育・研究以外の業務も数多くあります。「私はいつ研究をしていたのだろう」と思う日があるのも事実です。それでも、そうした毎日の中で私が最も面白いと感じているのは、「人との出会い」です。

大学には、本当にさまざまな学生がいます。設計が好きな学生、構造に興味を持つ学生、まだ自分の進みたい道を模索している学生。静かに努力を積み重ねる学生もいれば、思いついたことを勢いよく語ってくれる学生もいます。授業や研究室で学生と接していると、教えているつもりが、むしろこちらが学ばされることも少なくありません。柔軟な発想や新しい視点に驚かされることも多くあります。建築は答えが一つではない分野だからこそ、対話の中から新しい発見が生まれるのだと思います。

大学は教員だけで成り立っているわけではありません。事務職員や技術職員をはじめ、多くの教職員に支えられながら教育・研究や学生支援が行われています。忙しい時には、こうした仕事を「雑務」や「負担」と感じてしまうこともあるかもしれません。私自身も以前はそう考えていました。

しかし、最近は少し考え方が変わってきました。こうした仕事は単なる業務ではなく、「人と出会い、つながる機会」なのだと思うようになったのです。

例えば、学生たちと一緒にまち歩きをしたり、学科の広報冊子を作成したりすると、普段の授業では見られない学生の表情に触れることができます。真剣に議論していたかと思えば、何気ない雑談で大いに盛り上がることもあります。そんな時間の積み重ねが、学生との信頼関係を築き、大学生活をより豊かなものにしているように感じます。

最近は、個人的にゴルフも始めました。まだまだ初心者ですが、これも新しい出会いをもたらしてくれました。学内の教職員や企業の方々とご一緒する機会が増え、普段の仕事とは違った形で交流を深めています。スキーも趣味の一つです。写真は、本学の職員をされていた方々との恒例のスキー合宿の様子です。

残念ながら最近は実施できていませんが、仕事を離れた場で交わす会話も、私にとっては大切な時間でした。もっとも、ゴルフの腕前は研究のようには思いどおりにいきません。構造実験なら原因を分析して改善できますが、ゴルフのスイングは理論どおりにはいかず、ボールだけが予想外の方向へ飛んでいきます。それでも、仕事の話だけでなく、趣味や地域の話題など、何気ない会話の中には多くの学びがあります。そうした交流を通して、自分自身の視野も少しずつ広がっているように感じています。

もちろん、忙しさがなくなるわけではありません。それでも、「やらなければならない仕事」と考えるより、「新しい人や価値観に出会える機会」と捉えることで、日々の仕事は少し違って見えてきます。

大学は、「知識を学ぶ場所」であると同時に、「人と出会う場所」でもあります。学生同士の出会い、教職員との出会い、地域や企業の方々との出会い。その一つ一つが、新しい学びや成長につながっています。そして、教員である私自身も、多くの人との出会いによって支えられ、育てられてきました。

大学という場所の魅力は、建物や制度だけではありません。そこに集う「人」こそが、大学を面白くし、豊かにしているのだと、日々実感しています。

船木 尚己 教授

強い揺れを受けて倒壊しないだけではなく、発災後も引き続き安全に暮らせる機能・性能を発揮するのが地震に強い建物です。地震対策には、いくつかの思想と工法がありますが、本研究室では地震のエネルギーを制震装置によって吸収し、揺れを建物に伝えない新たなシステムを研究開発しています。新しい予想と仮説に基づき、実験とシミュレーションの両輪で、チャレンジングな試みを展開しています。

地震減災・防災研究室

日本は世界でも有数な地震多発国です。本研究室では、地震時の建物の損傷を軽減することに加え、震災後においても建物の機能を維持できる新たな制振システムの開発を中心に研究を行っています。

一覧に戻る