東北工業大学

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※教員の所属・役職及び学生の学部・学科・学年は取材当時のものです。

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日本印象、工大印象

VOL.069 黎 敏利(経営コミュニケーション学科)

皆さん、こんにちは。東北工業大学経営コミュニケーション学科の黎敏利と申します。これから、日本で8年間生活していた外国人の目線から、日本と工大について個人的な印象をお話いたします。

日本との出会いは、2015年に遡ります。その年、中国の大学生活の中で、私は日本のアニメに夢中になりました。さらに、偶然にも大学の専攻が英語と日本語だったため、大学4年生のインターンシップ期間を利用して、日本にある日本語学校に留学することを決意しました。この決断は、私の人生における重要な分かれ道となりました。

日本の地に足を踏み入れることは、私にとっては未知の冒険の始まりでした。見知らぬ国での生活は、最初の数か月間、戸惑いの連続でした。留学生活は、日本での学業、アルバイト、さらには日々の新たな体験と出会いから成り立っていました。周囲にいた留学仲間たちは、それぞれ異なる目標を追求していました。彼らの中には、日本の大学院に進学するために必死に勉強する者もいれば、日本での就職を目指す者もいました。私自身も小さな目標を掲げ、新しい旅を始めました。進学と学業への情熱が私を駆り立て、新たな挑戦の幕が上がったのです。

留学生活の最初のステップは東京で始まりました。私が通った日本語学校は、繁華な都市に位置していました。東京での生活は、異なる文化に触れ、新しい友人たちと一緒に勉強し、遊びを楽しむ機会を私に与えてくれました。しかし、ある日、留学仲間の一人が帰国することを宣言しました。それは、私たちにとっての最後の共同の食事となり、それ以降再会の機会は失われてしまいました。東京では、みんなが自身の夢を追求し、時には新しい友人たちと出会うこともありましたが、友情は短く、名前と顔を覚えても、その後つながりがなくなり他人となることがありました。
その後、私は東京の高い家賃を避けるために埼玉に引っ越しました。しかし、家賃が安い分、通学時間が長いというデメリットがあり、数か月後再び東京に引っ越し、東京での生活を再開しました。

それから、大学院に進学するため、岡山に引っ越しました。岡山では、特に大学の食堂から提供される食材が新鮮で美味しいことが印象的でした。これらの食材は、岡山大学の農学部の学生たちによって栽培され、収穫され、学校の教職員と学生たちに提供されるようです。その新鮮な食べ物のおかげで、岡山での生活はさらに豊かなものとなりました。週に一度の農産物市やフルーツ市で、地元の農産物や果物を購入できたのも楽しい思い出です。
その後は、転学するため、福岡に移りました。福岡では、志の合った友人たちと出会い、卒業後も日々交流が続いています。福岡の印象は、美しい女性が多いこと、狭い道路での車の通行に対する慎重さなどがあります。また、博多ラーメンは本当に美味しいと思います。様々な場所での新たな生活経験を積み重ねることができました。これらの場所での生活経験は、東京のにぎやかさ、埼玉での経済的節約、岡山での静寂、新鮮な食材に触れる機会を提供しました。

最後に、私は現在住んでいる仙台に来ました。ここでは生活のペースがゆっくりとしました。日々は予定に従って学び、働き、時折友人と食事に出かけます。ここでは、最後の食事を一緒に楽しめるかどうか気にする必要はありません。次回の再会は自然の流れで決まります。仙台は小さな街で、買い物に出かけるとよく知り合いに出くわします。気軽に会話を楽しんで、次回の食事の約束をすることができます。この街は非常に便利で、新幹線でわずか1時間半で東京に行けます。また、大阪や京都へも直行便があります。私の福岡からの友人は仙台に遊びに来て、彼女たちは仙台をとても高く評価しています。仙台の人々は非常に礼儀正しく、親切で、運転の安定感もあると言っています。私も仙台が大好きです。

東北工業大学に着任してから、私の仕事と研究は変わりましたが、以前の学生仲間とは頻繁に食事を共にし、一緒に外出する機会があります。私の役割は学生から教師に変わりましたが、学生たちからは依然として多くのことを学んでいます。教員たちは非常に責任感があり、学生たちの成長を最優先に考えています。そして、学生たちは非常に活発で明るく、忙しい生活やアルバイトを楽しんでいます。仕事と生活のリズムは速いことも遅いこともありますが、自分でコントロールできます。
4月に学校に着任したばかりの頃、ちょうど桜が満開で、教員室からは美しい桜の景色が広がっていました。冬になると、長町キャンパスの雪景色も美しいだろうと楽しみにしています。冬の訪れを心待ちにしています。私は東北工業大学での四季折々の美しい自然環境と学術的な活動の魅力に惹かれています。

日本と東北工業大学への印象は、私の人生に多くの価値ある瞬間と経験をもたらしました。異なる地域での生活、文化、友人たちとの出会い、それぞれの場所での思い出が私の人生を豊かにし、成長させました。日本は美しい国であり、その魅力は変わることがありません。東北工業大学は私に新しい視点をもたらしています。これらの経験と印象は、私の人生において不可欠なものであり、貴重な財産となっています。


黎 敏利 講師

東北大学博士後期課程を修了後、東北大学で博士研究員を務めた後、2023年4月から東北工業大学に着任してきました。経営学の中で主に企業の社会的責任(CSR)の情報開示に携わっております。同時に、東北大学大学院経済学研究科の客員研究員を務めています。

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