東北工業大学

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※教員の所属・役職及び学生の学部・学科・学年は取材当時のものです。

今日も走っています

VOL.042 髙野 淳司(総合教育センター)

今年度、総合教育センターに着任した髙野淳司です。皆様どうぞよろしくお願いいたします。授業は健康・運動科学実習ⅠおよびⅡ、スポーツ科学実習を担当しています。

さて、このリレーエッセイでは、研究や趣味、最近の出来事など、内容は自由ということですが、そう言われると逆に困るものです。趣味らしい趣味も無い私ですが、体育の教員らしく運動に関したことを書いてみたいと思います。

私はほぼ毎日、朝食前に30分のランニングをしています。休みの日には夕方1時間半くらい走って風呂上がりに冷えたビールを飲むのが楽しみです。そのように書きますと「昔から長距離走得意だったのですか?」などと言われるのですが、全く違います。むしろ昔から走るのは何よりも嫌いで、且つ肥満児として幼少期を送ってきました。市内のちびっこ相撲大会に無理やり出場させられたこともあります(優勝してしまいました)。成長期に入り身長が伸び、バレーボールに熱中し出してからは、それなりに締まった体だったと思うのですが、社会人になり体を動かす機会が少なくなってからは再び体重が増え、現在よりも15㎏程重い体で生活をしていました。その結果、腰痛やひざ痛、はたまた肩こりに悩まされ、「ますます体を動かしたくなくなる」、「もっと太る」という悪循環を招き、体育の教員としては失格と言われても仕方のない日常を送っていました。

そんな中、堕落した生活を一変させる出来事が起こりました。2011年3月11日に発生した東日本大震災です。当時、岩手県に住んでいた私も被災し、皆さんもご存知の通り、電気、ガス、水道などのライフラインがすべて途絶えてしまいました。ガソリンの供給もいつ再開されるのかわからない状況でしたので、しばらく自家用車で出勤することをあきらめることにしました。自転車で通勤することも考えたのですが、当時私が持っていた自転車は折り畳み式のコンパクトなものでしたので、芸を仕込まれたサーカスの熊みたいに見えてしまうのが気恥ずかしく、結局徒歩で片道3キロ弱の道を歩いて通勤することにしました。

初めのうちは息も絶え絶えだった徒歩通勤も、日に日に楽になっていくことを実感するようになりました。また、被災直後の出口の見えない状況からの不安やストレスで沈んだ気持ちが、体を動かすことで少しずつ解消されてきていることに気づきました。

それだけではありません。徒歩通勤を続けることにより、体重がどんどん減っていくのが目に見えてわかりました。これまでのように暴飲暴食ができなくなったということもあるのでしょう。体重が減り、体が軽くなると徒歩も楽しくなってくるもので、「ちょっと走って行ってみようかな」などとこれまで一度も考えたことも無い考えが頭に浮かぶようになってきました。

そこから、私のランニング生活は始まりました。雨などで2日も走らないと気持ちが悪くなります。数年前には何日連続でランニングを続けられるかに挑戦し、1年間365日を超えてランニングを続けたこともあります。ちなみに誰の得にもなっていません。台風が直撃し、風が吹き荒れる中、飛んでくる木の枝から体を必死でガードしながら走り続けている途中、ふと自分は何をやっているのだろうという思いが頭をもたげました。その日をもって、どうでもいい挑戦は幕を閉じました。ちょっとどうかしていました。

広瀬川の周辺ではいつも多くのランナーが走っています。
水面に陽が当たる光景を見ながら走るのが好きです。

そんなこんなで、今はマイペースで楽しくランニングを続けています。その結果、風邪をめったにひかない健康体になりましたし、何よりも代謝が良くなり、好きなものをたくさん食べても、ランニングをすることですぐに適正体重に戻るようになった事は本当にうれしいです。また、最近はボーっと薄目を開け、手足の力をダラリと抜き、瞑想をしながらスローペースで走る「メディテーションランニング」(私が勝手に名付けました)にはまっています。モヤモヤしたことがあっても頭がすっきりしますので、少し怪しい人オーラを出してしまう点を除けば、とてもおすすめです。

長町キャンパスにほど近い「大年寺山公園」への入り口。
255段の石段はトレーニングに最適。

さて、ご存知の通り今年度のスタートはコロナウィルスにより、これまで私たちが経験したことのないような生活を強いられています。5月に出場することを楽しみにしていた第30回記念仙台国際ハーフマラソン大会も中止となってしまいました。先日、大会主催者より、記念品とゼッケンが送られてきました。記念品のみを送ることになった主催者側も開催が叶わず、さぞかし無念だったのではないかと思います。来年こそは晴れやかに杜の都を駆け抜けたいものです。

今年の仙台国際ハーフマラソン大会は中止になりましたが、ゼッケンと記念品が届きました。

 

皆さんも家での生活が続き、運動不足やストレスを感じている人も多いかと思います。私が震災での出来事をきっかけに新たな運動習慣に取り組んだように、皆さんもこの機会に体を動かす習慣を生活の中に取り入れてみてはどうでしょうか?一度習慣となってしまえば、健康という財産が一生ついてきます。皆さんにはこのコロナウィルスが収束したらやりたいことがたくさんあることでしょう。そのためにはまずは健康であることが第一です。一日も早く皆さんと通常の大学生活を送れることを楽しみにしています。

自らが実験台になって、ランニング中の呼気ガス測定をしているところです。

 

 

 

髙野 淳司 教授

学位:博士(医学)
研究分野:体育心理学、スポーツ科学
担当科目:健康・運動科学実習Ⅰ,Ⅱ、スポーツ科学実習
優秀なアスリートは、どのように状況を認知、判断し、卓越したパフォーマンスに繋げているのかについて、心理学、認知神経科学等の多面的なアプローチから研究をしています。また、困難からの立ち直りやすさや自信の持ち方が運動とどう関わっているのかについても興味があります。

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