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パリ研究滞在記2015

VOL.018 水野 文雄(知能エレクトロニクス学科)

このたびリレーエッセイを書かせて頂くことになりました知能エレクトロニクス学科の水野です。どうぞよろしくお願い申し上げます。リレーエッセイを依頼されたとき、どのようなテーマを取り上げるべきか迷いましたが、2015年に9ヶ月間パリに留学させて頂きましたので、留学先の紹介と考えたことの一部をここで簡単に述べさせて頂きたいと思います。留学については、既に、都市マネジメント学科の小出先生がチェコについて紹介されているため、テーマが重複しているのに加え、私自身が文章を書くのが不得手なため読みにくい文章になっていると思いますが、ご容赦ください。

留学先について
私は、2015年6月30日から2016年3月17日までの約9ヶ月の間、本学の海外研修制度を利用してフランスのパリ13区に所在するTélécom ParisTechという高等教育機関に留学させていただきました。期Télécom ParisTechという名前から、「通信会社?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、電子、情報および通信を専門とするGrandes Écoles(グランゼコールとい言ったりもします。フランス独自の高等職業教育機関になります)です。日本では知られていませんが、フランスではトップレベルの高等教育機関の一つになります。

Télécom ParisTech玄関付近。キャンパスは13区内に3箇所有りますが、私はこのメインキャンパスで活動しました。

 

Télécom ParisTech別アングルから。日本人の私には、ここに学校があるようには見えませんでした。

 

私が仕事をしていた部屋。ポスドク2名とシェアしておりました。私が日本から持ち込んだ装置が机の上に広げられています。ちょうどバカンスの時期に撮影していますので、誰も居ません。

 

「国際大学都市」入り口を正面から撮影。広大な敷地に様々な国や地域が建てた宿舎がありました。この国際大学都市のFondation Deutsch de la Meurtheに一室を借りて住んでいました。

 

このTélécom ParisTechで私は、Department of computer science and communicationに所属するヒューマンインタフェースを専門とするEric Lecolinet教授の研究チームで、私の研究テーマである「両眼に任意の方向の視野を呈示する装置」に関する研究活動を行いました。
住居に関しては、14区にある国際大学都市という宿舎群に一室を借りて生活しておりました。住まいがある国際大学都市から、自分のデスクがあるオフィスまでは歩いて通勤することができました。国際大学都市は広大な敷地を有しているため寮だけで無く、食堂、図書館および劇場やスポーツ施設などいろいろな設備を持ち、更にコンサートなどのイベントも催されたりしますので、滞在の仕方によっては非常に充実した生活を送ることができます。ただし、私につきましては残念ながらこれらの充実した設備をあまり活用できませんでした。Télécom ParisTechは、パリの観光スポットがほとんど無い13区にあり、国際大学都市も観光地が少ない14区に所在していたため、研究には集中できました。

パリについて
パリについては、誰もが知るヨーロッパの中心都市であり、文化や芸術の中心都市であり、さらに多くの日本人が憧れる地でもあります。この文章を読んでいる方には、私よりも詳しい方もいらっしゃるのではないでしょうか?また、パリについては日本人を含む外国人に限らず、フランス人にとっても憧れの都市のようでした。そのため、パリの住宅事情は厳しく、治安が悪い地域でも家賃が高く、それでも入居するという状況とのことです。物価も高めで、値段を見る際に日本円に換算してしまうと食事や買い物がしづらくなりますので、1ユーロ=100円程度の価値であると勝手に脳内変換し、実際の日本円への換算をしないように生活していました。

 

パリらしい写真その1。エッフェル塔。

 

パリらしい写真その2。エッフェル塔からの眺め。手前がセーヌ川です。実は、この中に凱旋門も写っていますが、このサイズでは判別が難しいです。

 

パリらしい写真その3。ルーブル美術館入り口付付近。休日に日本人街にラーメンを食べに行った帰りにぶらぶらしているときに撮影。

観光施設やレストランを除いてパリの人々は,英語を喋らずフランス語で対応していました。そして、フランス語を喋れない私も容赦のないフランス語で対応を受けることになりました。冬の曇りがちな天気と、フランス語を喋れない人への対応やフランス人の気質からパリ症候群になる日本人も多いと聞きました。フランス語については、修得しておくとフランスを訪れる際には、活動の幅が広がると思います。 また、パリについては、古い建物が多く残る伝統的な町並みと、多くの文化施設やイベントがあるため滞在するのに飽きることがありませんでした。

滞在中に印象的だったこと
ここでは、滞在中に印象的だったことを述べさせていただきます。Télécom ParisTechで勉強している学生さん達は、大学院の修士課程や博士課程に在籍していました。私が見た彼らの印象としては、どの学生も自分の研究にしっかりと取り組んでいるようでした。また、研究成果の発表では、非常に細かい所まで気を遣った上で、工夫して可能な限り良い印象を聴衆に与えるよう、プレゼンテーションを行っているようでした。パリで知り合った日本人学生に聞いた話では、フランスでは大学の博士課程に進学するためには入試に合格するだけでは駄目で、国や企業からの助成金(正確には聞いていませんが、研究費や生活費をカバーすると思われます)を得ている必要があるということでした。修士課程の学生にとっては、助成金の申請に繋がっていきますし、博士課程に在籍している者にとっては研究の進捗の遅れは助成金の打ちきりに繋がるため、それだけ一生懸命になっているとも言えます。グランゼコールの場合は、多少状況が異なるかもしれませんが、同様の状況ではないかと思われます。彼らの様子を見ていると、やらされているという様子は見られず、前向きなところが印象的でした。日本でも博士課程に進学しようとしている学生や、在籍している学生はそんなものだと指摘を受けそうであり、確かにその通りかもしれませんが、自分の行っている研究が直接自らの利益に直結して頑張れるような仕組みがあればと思いました。この点も日本学術振興会の特別研究員があるとご指摘を受けそうではありますが、その恩恵を受けている人数は多くはないと思います。

ところで、フランスの高等教育機関では、教員・学生共に夜遅くまで研究をすることも無い上に、土日は休んで、バカンスもしっかりと取っていましたが、平日は結果を出すために非常に集中して仕事を行っていたことが印象的でした。この休むべき時には休み、仕事を行うときは仕事に集中する点につきましては、私も見習いたいと思いました。

おわりに
まだ、ここに書いていないこともございますが、ここまでとりとめも無く書いてきたということもあり、あまり長くなっても退屈になってしまいますので、ここまでとさせていただきたいと思います。ここに記載したことは、私が見たことや考えたことのごく一部でありますので、伝わらないとは思いますが、海外での生活や留学は大変なことばかりですが、後から振り返ると良い思い出になるだけでなく、日本や日本で生活する自分のことについて、見つめ直すことができたと思います。日本に居た方が快適でわざわざ苦労しに行くことは無駄だと思う方も居るかもしれませんが、機会が得られそうであれば留学や海外での生活に挑戦していただきたいと思います。また、時期についても可能な限り早い時期、つまり若いうちに行くことをお勧めします。

最後に、私は、幸運にも9ヶ月という長い期間、海外で研究活動を行うことができました。これは、私の所属している知能エレクトロニクス学科の皆様の理解と協力があったため実現しました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

 

 

水野 文雄

研究分野:ウェアラブルコンピューティングとメカトロニクスの医療・福祉への応用

水野研究室

着用できるコンピュータであるウェアラブルコンピュータや、遠隔操作型コミュニケーションロボットなどの開発を行い、メカトロニクスを医療や福祉の支援技術に応用するための研究を行っています。

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