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休日に何をしていますか?

VOL.086 穴澤 正宏(環境応用化学課程)

「リレーエッセイをそろそろ書かなくては・・」と思いつつも、師走の忙しい日々がばたばた過ぎていくという毎日を送っていました。まずテーマを決めなくては、と考えていたところ、少し前の研究室の懇親会で「先生、休日には何をしているんですか?」と言われたことを思い出しました。そのときは、「よく散歩をしているよ」などと簡単なことしか話せなかったのですが、今回のエッセイは、これまで休日に行ったこと、最近行ったことネタに書いてみます。

私には、現在社会人の長女と大学生の長男の2人の子供がいます。彼らが小さいときは、休日によくいろいろなところに連れて行きました。様々な体験をしてほしいという気持ちからです。特に、長男が小学生のときは、よく一緒にでかけました。ある時期にはよく宮城球場に野球観戦に行っていました。きっかけは、息子がとなりの陸上競技場で走ることになり応援に行ったことです。応援していると、すぐ隣に野球場が見えて、歓声も聞こえてきて何か楽しそうです。「何だろう?今度行ってみよう」となりました。自分一人であれば、すぐ行ってみようとならないですが、子供がいると、すぐ行ってみようとなります。子供に体験させながら、自分も一緒に楽しんでいるというのがいつものパターンなのです。

自分が小学生のころ、何回か友達にプロ野球観戦に連れて行ってもらいました(ナゴヤ球場)。しかし、それ以来ずっと野球場には行っていません。自分が初めて観戦したのが外野席で、あまりよく見えず、ガッカリした記憶が残っています。このため、まずはライトスタンドの内野席を予約しました。当日、試合開始前に席についてみると、天気も良く、開放感が感じられとても気持ちがよかったです。屋外でスポーツ観戦するのは、こんなにも気持ちのいいものなのかと改めて思いました。

これ以来、何回も宮城球場に行って野球観戦をしました。内野席ばかりだとお金がかかるので、外野席でも観ました。球場にある観覧車にも何度か乗りました。私は野球そのものより、食べ物を買って食べながら観戦したりと、雰囲気を楽しんでいました。また、球場では、受付や売店、飲み物の売り子など、大学生ぐらいの人が多く働いていました。工大生も多く働いていたでしょう。子供と一緒だとより親切に対応してくれたように思います。

最近は、子供も大きくなり、普段一緒に住んでいないので、一緒に出掛けることもなくなりました。休日に時間があるときは、本を読んだりアマゾンプライムで映画を見たりということが多いです。最近読んで印象に残った本について、2冊紹介したいと思います。まずは、フォレスト出版/三五館シンシャの日記シリーズです。このシリーズでは、いろいろな職業の著者が日記形式で赤裸々に実情を書いています。普段、学生の就職指導もしているので、いろいろな職業に関心があります。興味を惹かれ何冊か読んでみました。最初に読んだのは、福永耕太郎著「電通マンぼろぼろ日記」です。電通という会社名はよく耳にしますが、実際どういう仕事をしているのかピンときません。そこに興味を感じて読み進めました。広告業界という私から想像のできない世界で奮闘する著者の姿が浮かび上がるとともに、常識はずれな業界の内幕が生々しく書かれていました。普段知らない世界の実情を知ることができて、とても興味深かったです。

次に紹介したいのは、齋藤ジン著「世界秩序が変わるとき」(文春新書)です。著者は、ヘッジファンドなどに助言をするコンサルタントとして、アメリカで30年近く活動してきたそうです。これまでの世界経済の変化、また、いま起こりつつある変化について、世界秩序の「ゲームチェンジ」という観点から著者の考えが書かれています。私はこの本を読んで、なぜ日本は「失われた30年」で長く苦しむことになったのか、その背景が分かったような気がしました。著者は、世界経済をカジノに例えます。基軸通貨を握っているアメリカはカジノのオーナーであり、自分が勝つように時々カジノのルールを変えてしまいます。「ゲームチェンジ」です。具体的には、「小さな政府」をよしとする価値観(新自由主義)と「大きな政府」をよしとする価値観の間の転換です。これまで振り子のように何度も変化が起きたそうです。アメリカがカジノのルールを変えたとき、これに気が付かないと、日本をはじめまわりの国は、不景気となったり、逆に好景気になったりと翻弄されるのです。最近まで世界秩序を支えてきたのは新自由主義で、日本の「失われた30年」もそれと関係があるそうです。しかし、いま、新自由主義が崩壊し、勝者と敗者がひっくり返るゲームチェンジが起きていると著者は言います。また、これは日本にとって千載一遇のチャンスでもあると。いずれにしても、2026年は世界秩序が回復し、日本にとっても良い年になることを願っています。

穴澤 正宏 教授

大阪大学大学院を終了後、京都大学基礎物理学研究所(学振研究員)を経て、2000年に本学工学部に着任。通信工学科、環境情報工学科、環境エネルギー学科を経て、現在、環境応用化学課程に所属しています。元々の専門は理論物理学(素粒子論)ですが、環境分野の数理的な研究を指向して現在は数理生態学を専門としています。授業では、数学、物理学、プログラミングなど、主に1年~2年生の基礎科目を担当してきました。

数理生態学研究室

数理モデルやコンピュータシミュレーションを使って生態系の数理的な側面について研究しています。特に、生態系の持続可能性、生物個体群や群集の動態、人間を含めた生物の進化に注目して研究を行っています。工学というより自然科学(サイエンス)の研究になりますが、生態系は非常に複雑であるので、生態系の保全を考える上でも、まず自然科学として生態系の理解を深めていくことが求められます。

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