学長室
学長挨拶
東北工業大学 学長
社会の信頼に応える
一層魅力ある大学へ
「未来のエスキースを描く。」
本学は2024年に創立60周年を迎えました。建学の精神「わが国、特に東北地方の産業界で指導的役割を担う高度の技術者を養成する」に基づき、堅実で社会に有用な教育そして研究を真摯に実践してきました。その成果が約39,000人の学士、800人の修士(大学院博士(前期)課程修了生)、40人の博士(大学院博士(後期)課程修生)の輩出と、卒業生・修了生諸兄姉の実社会での活躍です。卒業生の各地・各分野での活躍が社会より極めて高く評価され、その高評価が、企業からの更なる求人を促すという好循環が形成されています。
本学では、所属する学部・学科に関わらず本学卒業生には共通で身につけてほしい汎用的能力(社会人基礎力)として「共通学士力」を、それぞれの所属学科で学ぶ高度な専門的知識や技術等の能力として「専門学士力」を具体的に明示しています。そして、学生一人ひとりの学士力が、入学から卒業までどれくらい獲得されているか、つまり本学での学修を通じて学生がどれくらい成長しているか、様々に確認して定期的にお知らせしています。例えば従来からの成績表に加えて、アセスメントテストを全学年で実施し、成績表からは読み取りにくい汎用的能力(「情報収集・分析力」・「論理的思考力」・「課題発見・解決力」・「コミュニケーション力」・「セルフマネジメント力」など)の測定を行い、全学生にフィードバックしています。
そして学生にしっかりと学士力を身につけていただくため、本学ではAEGG(エーエッグ)ポリシーを定めて、教育と研究に取り組んでいます。「A」はAdmission(入学者受入れ)、「E」はEducation(教育)、「G」はGraduate(卒業認定)、もう一つの「G」はGuidance(学生指導)を意味し、4つのポリシーに基づき東北工業大学は教育という人材育成に努めていることを示しています。この中でも特にGuidance(学生指導)ポリシーは、他大学には見られない本学独自の優れた点です。
近年注力しているのは、AI、そしてグリーンテクノロジーに関する教育の充実化体系化です。従来から各学科の専門教育科目や研究活動の一環で教授していたところですが、国の動向(AI戦略2022、グリーン成長戦略)を踏まえ、1年生のリテラシーレベルの教養教育科目として「人工知能総論」と「グリーンテクノロジー」を必修化、そのほかにも専門分野への応用基礎力レベルの教養教育選択科目も開設し、各専門学科での学修を経てエキスパートレベルの人材育成に努めることとしています。これらの取り組みは、本学学生はもちろん一般の方々の学びにも貢献できるのではないかと考えております。
また本学では、定評ある堅実な専門教育に加え、地域・実社会で役立つ専門性を一層充実させるべく研究を強化しています。持続可能な未来の東北の実現を目指す東北SDGs研究実践拠点形成の取り組みです。本学の先進的な研究分野、すなわち、気候危機・対策技術、Society 5.0、防災・減災技術、医工学・健康福祉、そして地域・地場産業振興の5つの研究拠点として、学内外連携を一層推進するものです。東日本大震災後に本学が主管校として提案し取り組んだ、学都仙台コンソーシアムにおける「復興大学」復興人材育成教育を「地域未来構築事業」として本学が継承・発展させ、東日本大震災からの復興の後の未来に向け、地域の産業振興・活性化と人材育成を図ることにも取り組んでいます。
2020年の建築学部、工学部環境応用化学科、ライフデザイン学部産業デザイン学科・生活デザイン学科の設置以降も、現代に相応しい教育課程・学位プログラムの検討を継続し、2025年度には工学部の課程制への移行、ライフデザイン学部経営コミュニケーション学科の経営デザイン学科への名称変更と副専攻制の導入を、構想しています。また大学院博士前期課程(修士課程)の強化も進めているところです。
本学は「未来のエスキースを描く。」をスローガンに定めています。変化の時代を迎えている現代、皆さんが科学技術に関する深い理解と確かな実力を本学で身に付け、まだ見ぬ未来のエスキースをそれぞれが豊かに描けるよう、そして楽しいキャンパスライフを送ることができるよう、皆さんと共に、新たな東北工業大学を創っていきたいと考えています。
生年月日
昭和40(1965)年7月生まれ
教育歴
- 昭和59(1984)年3月
- 早稲田大学高等学院卒業
- 昭和63(1988)年3月
- 早稲田大学 理工学部建築学科 卒業
- 平成2(1990)年3月
- 早稲田大学大学院 理工学研究科修士課程建築学専攻 修了
- 平成5(1993)年3月
- 早稲田大学大学院 理工学研究科博士後期課程建築学専攻 単位取得退学(修了扱い)
学位
- 平成6(1994)年3月
- 博士(工学) 早稲田大学
職歴
- 平成4(1992)年4月
- 早稲田大学理工学部建築学科 助手
- 平成7(1995)年4月
- 東北科学技術短期大学建築設備環境学科 専任講師
- 平成10(1998)年10月
- 東北工業大学 工学部 建築学科 講師
- 平成14(2002)年4月
- 同 助教授
- 平成19(2007)年4月
- 同 大学院工学研究科指導准教授(博士課程)
- 平成20(2008)年4月
- 同 教授(現在に至る)
- 平成20(2008)年4月
- 同 大学院工学研究科指導教授(博士課程) (現在に至る)
- 平成24(2012)年4月
- 同 建築学科長(平成26年3月まで)
- 平成26(2014)年4月
- 学校法人東北工業大学 評議員(現在に至る)
- 平成26(2014)年4月
- 東北工業大学 工学部長(平成28年3月まで)
- 平成26(2014)年4月
- 東北工業大学大学院 工学研究科長(平成28年3月まで)
- 平成28(2016)年4月
- 学校法人東北工業大学 理事(現在に至る)
- 平成28(2016)年4月
- 東北工業大学 副学長
- 令和3(2021)年4月
- 東北工業大学 学長(現在に至る)