Muchu!

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私が今、夢中に...

S.D.さん大学院 工学研究科 建築学専攻

故郷の中国を離れ、日本にやってきたのは2017年。東日本大震災を経験した東北で地震に強い建物づくりを学びたいという一心でした。同じく中国出身の薛 松濤 教授と出会ったのは、まだ日本語に不慣れな時期に参加した東北工業大学のオープンキャンパスでのこと。制震構造の講義を中国語で受けることができ、研究者の道を志す決意をしました。

震災の巨大地震にも耐える
日本の建築技術に感動

女子学生

構造物の健康状態を
解析する研究に没頭

幼い頃に中国で発生した2008年の四川大地震はマグニチュード7.5、死者が7万人近くに上る大災害でした。一方、2011年に発生した東日本大震災のマグニチュードは9.0。四川を上回る規模だったにも関わらず、犠牲者の多くは津波によるもので、地震による人・建物への被害が少なかったという報道に驚いたことが、建物の構造に関心を持った一番のきっかけです。現在は地震が発生した際に建物の安全性を解析する、構造物のヘルスモニタリングシステムを使った研究を行っています。特に力を入れているのは、解析モデルをコンピュータ上でシミュレーションできるソフトウエア技術の修得です。計測したデータでモデルをつくり、地震発生時の構造物の状況をシミュレーションすることができます。難しいですが、成果を社会に活かせるよう、日々真剣に向き合っています。

アルバイトを通して
実際の建築現場を知る

四川大地震を契機に中国でも免震構造の建物が増えてきましたが、もともと中国は地震が少なく、防災意識も未だ日本ほど高くありません。そのため私が建物の構造について学び、その成果を地元に還元することで、日頃の備えや耐震性の高い建物の重要性を知ってもらい、防災意識を高めるきっかけになってほしいと思っています。また、現在は留学生を支援する奨学団体に所属しているのですが、サポートしてくれるカウンセラーの方に建築事務所でのアルバイトを紹介していただきました。実際に働いている方から日本の建築についてさまざまな話を聞くことができ、私にとって現場を知る貴重な機会となっています。両親も応援してくれているので、一人前の研究者になり、中国や日本の建築業界に貢献していきたいです。

女子学生

在籍数が徐々に増加
女子も学ぶ大学です

理工系人材のニーズが高まり「就職に強い」「教育内容が充実している」「研究分野の専門性が高い」と、東北工業大学を選ぶ女子学生は年々増えています。2023年5月現在の女子在籍者数比率は18.0%で、10年前と比較すると約5%増加しています。

10年で約5%UP! 2013 13.1%→2023 18%