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宮城 全学長通信バックナンバー

第26回:平成27年度 入学式 式辞

2015.4.3

  春を告げる草花が咲き始め、日差しの暖かさが感じられる春4月。

 本日ここに、新入生を迎え、保護者の皆様、並びに後援会、同窓会の役員の代表、本学に深い関係のある方々と共に、平成27年度東北工業大学・同大学院の入学式を行うことができますこと誠に嬉しく、心より感謝いたします。

 この度、晴れて入学の日を迎えられた新入生は、工学部460名、ライフデザイン学部232名、合計692名。大学院工学研究科及びライフデザイン学研究科博士(前期)課程19名。学部学生、大学院生を合わせて711名であります。希望あふれる多くの若い皆さんを迎えることが出来ましたこと、教職員一同心から歓迎し、お祝い申し上げます。

 東北工業大学は1964年にわが国、特に東北地方の産業界で指導的な役割を担う高度な技術者を養成することを目的に、51年前に創立されました。創立当時は日本全体が活気に満ち、全国民が一丸となって技術発展・経済発展に向かった時代でした。その創立当時と現在とでは、社会環境や状況が異なります。日本は成熟しました。一方、東日本大震災の影響は色濃く影を落とし、東北地方の復興にはまだまだ時間を要する状況です。

 東北の復興を含めた地域を活性化させる「地方創生」や、一極集中から多極分散が日本を支える指導原理となりつつ中、東北工業大学は昨年、文部科学省の大きな事業の一つである、「地(知)の拠点整備事業」の拠点大学として認定されました。かつて貧困で出稼ぎ中心の村に仕事を作り、産業を起こし、村づくり・町づくりを行った本学の伝統と、地域に貢献し、学生を育てようとする本学の将来計画が優れているものと認定されたことは、本学が国や社会から大いに期待されているという証に他なりません。また、ビッグデータ、クラウドコンピューティングの基となっている垂直磁気記録ハードディスクは本学理事長岩崎俊一先生の発明になるものです。

 東北工業大学では、工学部5学科、ライフデザイン学部3学科、工学研究科、ライフデザイン学研究科で、工学・ライフデザイン学に関し、教育・研究を行っていることはご存知の通りです。本学には教育熱心なスタッフが多数おります。学生のための教育改革活動も積極的に行い、丁寧な教育と指導を行っている大学です。大学通信という会社が調査した「2015大学探しランキングブック」のなかでの、同規模大学での就職率ランキングでは本学は全国7位、全国の高等学校進路指導教諭が評価する面倒見の良い工科系大学では全国19位、さらには入学後生徒を伸ばしてくれる大学では工科系大学全国14位にランクされています。こうした評価を築いた皆さんの先輩は、東北はもとより全国各地で活躍しています。そのような実績ある本学に皆さんは入学され、勉学のスタートラインについたのです。

 今入学式に臨んでいる皆さんには、本学への入学について、それぞれ、様々な思いをお持ちだと思います。
そのような皆さんに、ここで私自身の経験を申し上げたいと思います。私は皆さんと同じ年の頃、漁船で仕事をしていた父の影響で、海上の保安を専門とする大学への進学を第一に考えていました。しかし、様々な事情でそれはかなわず、別な大学の工学部へ入学しました。入学したもののどの学科を選んでいいかも分かりませんでした。しかし、逆にその大学や学問への固定観念を持たなかったことが幸いし、在学中は常に一生懸命考える習慣がつきました。また、友達と話し、先生の指導を受けていくと徐々に道が明るく開けてきたものです。特に、私より2年先輩にあたる人との出会いに大きな影響を受け、本当にそのことに感謝しています。皆さんの中には、確固とした目的・目標を持って入学された方もおられるでしょうが、私のように目的や目標を見出せない方がおられるかもしれません。そのような方はこれからの大学生活は自分探しの旅だと考えたらどうでしょうか。そして在学中に、しっかりした自分の目的や目標を掴んでいくのに努力する。それでいいのではないでしょうか。

 東日本大震災で被災した東北はまだまだ復興途上にあることは皆さんも実感されていることでしょう。被災した町を復興させ、東北の産業を発展させるためには、実践を通し、現地で学ぶことが最も適しています。東北で学ぶ皆さんには、地元東北に残って働いたり、起業したりして、東北に貢献して欲しいと思っています。本学で、皆さんはそのための知識と知恵を身につけてください。教えられたことを単に覚えるだけではなく、自立し、自分の頭で納得するまで、あせらず、あわてず、あきらめずに忍耐強く考える、それが皆さんに与えられている大学生活の心構えです。繰り返すようですが、皆さんには次世代を担う人材として、専門の学問の基礎を修得するだけでなく、専門分野を越えた領域、新しい知識・技術を開発する能力も養って欲しい。そのためには関連分野の学問や、人文・社会科学、自然科学、外国語などを「自ら進んで、深く学ぶ習慣」を身につけていただきたいと思います。

 さらに高度化し、複雑化した社会においては技術者・デザイナーの役割は近年、益々重要になっております。皆さんもすでに社会の仕組みを変える原動力になっているといえます。技術者、デザイナーが考え出したものによって、社会の仕組み、人間の考え方が大きく変化し、科学・技術の進展が人間社会に大きな貢献をしたことに間違いはありません。しかし私たちは科学・技術を万能なものと思ってはいけません。真理、自然に対する畏敬の念ももたなければならないのです。皆さんが身を持って経験した2011年3月11日の東日本大震災は正にそのことを私たちに示したものです。

 このような状況の中で、一番大事なことは人間のモラル、道徳心です。大学生活は知識の獲得の時であると同時に、知恵を身につけ、人間形成の時でもあります。人間形成とは何でしょうか? それは愛と奉仕の実践を修得することです。一人の人間として、人の弱さや痛みを理解し、他の人に誠意ある暖かい手を差し伸べることの出来る「人間性豊かな人間」になることです。皆さんの右手にはテクノロジー、デザイン力・コミュニケーション力、左手には倫理、道徳、哲学、弱い者への愛情。これがあれば鬼に金棒です。皆さんはそれをいつも意識さえすれば達成できるのです。

 「東北工業大学の卒業生は素直で、真面目で、忍耐強い」、そして「何にでも挑戦する」ということをいろいろな集まりの場で、私は何度も聞いております。皆さんはそのような先輩の後に続くことが期待されています。「東北工業大学に入ってよかった」、そしてまた、「地域に貢献し、挑戦する東北工業大学で、わが青春を過ごそう」という意思を強く持ち、これからの大学生活を過ごしていただきたいことを願い、式辞と致します。ご入学おめでとうございます。

                               平成27年4月3日 東北工業大学 学長 宮城光信



                                         

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最終更新日 2017年12月9日