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宮城 全学長通信バックナンバー

第13回:2014年度入学式式辞

2014.4.3

入学式式辞

 春を告げる草花が咲き始め、春の日差しの暖かさが感じられる春4月。

 本日ここに、新入生を迎え、保護者の皆様、並びに後援会、同窓会、本学に深い関係のある方々と共に、平成26年度東北工業大学・同大学院の入学式を行うことが出来ますことは、誠に嬉しくそしてまた心より感謝致します。

 この度、晴れて入学の日を迎えられた新入生は、工学部496名、ライフデザイン学部201名、合計697名。大学院工学研究科及びライフデザイン研究科博士(前期)課程27名、博士(後期)課程2名、合計29名。学部学生、大学院生を合わせて726名であります。希望あふれる多くの若い皆さんを迎えることが出来ましたのは、本学にとりまして大きな喜びであり、教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎し、お祝い申し上げます。新入生の皆さんお一人お一人は、将来に夢を描き、目標を抱きながらこの入学式に臨んでいることと思います。皆さんの夢や目標が達成されるよう、努力することを願っていますし、そのために私たち教職員も皆さんを全力で支えていきます。また保護者の皆さまのご協力もどうぞよろしくお願いいたします。東日本大震災の影響で高校での入学式に臨むことができなかった学生も多くいるのではないかと思いますが、今日は中学校入学以来の6年ぶりの入学式であろうと思います。

 東北工業大学は1964年に東北地方の産業界で指導的な役割を担う高度な技術者を養成することを目的に創立され、本年で50年の歴史を持つ伝統ある大学です。皆さんは今その一員となりました。本学の教育方針は、専門家として必要な素地を備え、調和のとれた人格を持ち、優れた創造力と実行力を備えた人材を育成することにあります。この方針のもとに、さらに細かな教育目標をあげ、そのためのカリキュラムを備えております。ですから、新入生の皆さんもこの大学の掲げる目標を達成できるよう、目標に向かって忍耐強く努力していただきたいと思います。

 東北工業大学では、工学部5学科、ライフデザイン学部3学科、工学研究科、ライフデザイン学研究科で工学・ライフデザイン学に関し、創造的でしかも地道な研究を行っております。現代情報社会を支えるビッグデータ及びクラウドコンピューティングの根幹技術を開発し、文化勲章を受章された岩崎理事長の垂直磁気記録の研究、生物フォトンに代表される生体医工学の研究、復興に学術的な面で貢献する復興大学での事業で顕著な成果を収めている大学であります。工業デザインの分野では、貧困で出稼ぎ中心の村に仕事を作り、産業を起こし、町づくりを行った研究の伝統は本学で綿綿と続いています。何ごとにもまして誇りえることは、本学は教育熱心な多数のスタッフを擁し、丁寧な教育を行っていると同時に、学生の就職率の面で全国の大学の中でも上位に位置していることであります。さらに学生のための教育改革活動も積極的に行っている大学でもあります。そして皆さんの先輩は東北、日本、そして世界の各地で活躍しています。

 東日本大震災で破壊された東北を復興させ、東北の産業を発展させるためには、皆さんは東北で学び、そして地元東北に残って働き、東北で起業することが必要です。皆さんのような若い人々の知恵と技術力は、東日本大震災で大きく破壊された町々、混迷し先の見えにくい今日の日本には強く求められております。本学で、皆さんはそのための知識と 知恵を身につけてください。教えられたことを単に覚えるだけではなく、自立し、自分の頭で納得するまで、あせらず、あわてず、あきらめずに考える、それが皆さんに与えられている大学生活です。

 皆さんの人生は自分のためにだけあるのではありません。皆さんの人生は人のためにもあるのです。こちらの方がむしろ大事で、大きな意味があるといった方がいいでしょう。そしてまた、皆さんは社会から大きな期待がかけられています。次世代を担う人材として、専門の学問の基礎を習得するだけでなく、専門分野を越えた領域、新しい知識・技術を開発する能力も養いましょう。そのためには関連分野の学問や、人文・社会科学、自然科学、外国語などを「自ら進んで、深く学ぶ習慣」を身につけていただきたいと思います。

 高度化し、複雑化した社会においては設計者・技術者の役割は近年、益々重要になっております。皆さんは社会の仕組みを変える原動力になっています。車、航空機、TV、パソコン、携帯電話、インターネットは全て技術者、デザイナーが考え出したものです。これによって、社会の仕組み、人間の考え方が大きく変化しました。しかしながら多くのものがブラックボックスになっています。中身が分かるのは技術者・デザイナーだけになっています。科学・技術の進展は人間社会に大きな貢献をしたことに間違いはありません。しかし私たちは科学・技術を万能なものと思ってはいけません。真理、自然に対する畏敬の念ももたなければならないのです。皆さんが身を持って経験した2011年3月11日の東日本大震災は正にそのことを私たちに示したものです。

 このような状況の中で、一番大事なことは人間のモラル、道徳心です。大学生活は知識の獲得の時であると同時に、知恵を身につけ、人間形成の時でもあります。人間形成とは何でしょうか? それは愛と奉仕の実践を習得することです。一人の人間として、人の弱さや痛みを理解し、人々に知恵と、技術と、誠意で暖かい手を差し伸べることの出来る「人間性豊かな人間」になることです。皆さんの右手にはテクノロジー、左手には倫理、道徳、哲学、弱い人への愛情、これがあれば完璧です。それを東北工業大学で学ぶ課程で成し遂げようではありませんか。

 「東北工業大学の卒業生は素直で、真面目で、忍耐強い」という評価を私は多くの人から聞いています。また、「東北工業大学の卒業生は何にでも挑戦する」ということも聞いております。皆さんはそのような先輩の後に続くことが期待されています。「東北工業大学に入ってよかった」、そしてまた、「地域に貢献する東北工業大学こそ、わが青春」という意識を強くしてこれからの学園生活を過ごしていただきたいことを願い、式辞と致します。入学おめでとうございます。

平成26年4月3日
東北工業大学 学長 宮城光信

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最終更新日 2017年12月9日