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宮城 全学長通信バックナンバー

第8回学長通信:本学創立50周年を間近にして思う事

2013.10.21

 東北工業大学が設立されたのは、仙台城南高校の前身である東北電子工業高等学校が設立された3年後にあたる昭和39(1964)年です。その頃、工学系に関連する仙台地区での大学等がどのような状況かだったのかといいますと、昭和37年に東北学院大学に工学部が設立されました。東北大学工学部においては、昭和33年に電子工学科、昭和36年に機械第二工学科、化学工学科、そして昭和37年に原子核工学科、38年に応用物理学科が出来ております。また、昭和38年には宮城工業高等専門学校(仙台電波高専と統合され、現在の仙台高等専門学校)が設立されました。

 この時期にその後の発展に大きく寄与することとなった幾つかの事項を拾い上げますと、レーザ実験の成功(昭和35年)があります。LSI※1やIC※2のもととなるトランジスタが真空管にとって代わり始める時でもありました。有人人工衛星ボストーク1号の打ち上げ(昭和36年)、日本初の原子力発電の実験成功(昭和38年)があります。昭和39年の東京オリンピックの開催、東海道新幹線の開通はその頃の時代の象徴でもあります。本学が創設されたのは、まさに技術が飛躍的に進展しようとする時代でありました。日本の高度経済成長期の真っただ中にあり、日本全体が活気に満ち、一方向にベクトルをそろえていた時と思います。

 50年を経過した今、日本も世界も大きく変わりました。技術の面で言えば、レーザは産業はもとより、日常生活に深く入り込みました。衛星通信、光ファイバ通信、無線通信は一体化され、インターネットの時代になりました。カーナビ、携帯電話がその恩恵にあずかり、ビッグデータの蓄積とその利用は人々の生活を変えています。そしてまた、東日本大震災、さらにそれに伴う原発事故の脅威は、技術と技術者育成に携わる私たちの意識を大きく変えざるを得ない状況にあるように思います。自然に対する畏敬の念を持たなければならないこと、人間の尊大さ、高慢さに対する反省も求められています。

 人間は向上心のかたまりで、上を目指しひたすら走らなければならない運命にもあります。しかしそれと同時に、歴史を学ぶことも必要です。歴史を知らないというのは本当に悲しいことです。神によって作られた被造物に対する愛と慈しみの心を持ち、人類福祉に貢献する技術開発に喜びを見出す技術者の輩出に貢献することが私たち技術者教育に携わる者に求められていることを、次の50年に向けてつくづく感じる今日この頃です。


※1 LSI…ICのうち、素子の集積度が1000個〜10万個程度のもの
※2 IC…「integrated circuit」の頭文字から。「集積回路」「半導体集積回路」ともいう

宮城 光信 前学長 学長通信バックナンバー

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最終更新日 2018年9月13日