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伊藤 美由紀先生×4年生 松本知也さん(宮城県石巻西高等学校出身)

ライフデザイン学部 安全安心生活デザイン学科 伊藤研究室 (教員の役職及び学生の学年は取材当時のものです)

LAB TALK:伊藤 美由紀先生×4年生 松本知也さん(宮城県石巻西高等学校出身)

被災者支援の取り組みにやりがい

松本 今一番やりがいを感じているのは、ゼミのみんなでやっている「仮設カスタマイズお助け隊」の活動です。仮設住宅の住民の要望を聞き取って、部屋の中に棚を新設したり、玄関周りに置くベンチや収納を作ったりしています。

「4年生の春まで準硬式野球部に所属していました。これから卒業までは、卒研と就活に打ち込みたい」と松本くん

伊藤 「仮設カスタマイズお助け隊」は、仮設住宅を使いやすくカスタマイズすることで、生活意欲を失わずに過ごしてもらえれば、と建築学科の新井ゼミと一緒に始めた取り組みです。設置したベンチや収納も喜んでもらっているけど、住民のコミュニティ作りにも一役買っているんだよね。
松本 そうなんです。僕たちが大工仕事をしていると「なにしてるの?」「手伝ってやろうか」って住民の方たちが集まってくるんです。玄関周りに設置したベンチでご近所の人同士が世間話をしている姿も目にするようになりました。僕は石巻出身なので、身近な人から仮設住宅が住みにくいという話をよく耳にしていました。近隣の人とうまくコミュニケーションがとれないという声も聞くし…。仮設住宅は何年も住むところなので、少しでも生活の向上に貢献したいと思ってこのゼミの入ったんです。なので、住民が顔を合わせる”場”を提供できているというのは素直にうれしいですね。

大学生活を通して学んだ対話の大切さ

木工職人と共同で開発したコーヒーミル。復興支援のイベントで使用しました

伊藤 松本くんは、年上の人とも物怖じしないで話せるのがいいよね。仮設住宅に住んでいる年上の人たちとも自然に仲良くなってるでしょう。
松本 そうですか?ありがとうございます。実は僕、高校のころまでは無口だったんです。学校は与えられた課題をこなせばいいし、家では親が何でもしてくれるし、黙っていても問題を感じなかった。でも、大学では、単位の計算も自分でしなきゃいけないし、身の回りのこともしなくちゃいけない。これじゃダメだと思って、意識して人と会話するようにしました。
伊藤 安全安心生活デザイン学科は、1~3年次から人と接する機会が多いもんね。松本くんも研修で、高齢者が多い地域のお祭りを手伝いに行ったり、特養施設に訪問したりしたでしょう。
松本 最初は高齢者と話すのにすごく抵抗がありました。でも回数を重ねるうちに、楽しくなってきたんです。今ではお年寄りの身の上話が大好きです。人生の参考にしたい(笑)
伊藤 大学の外の人とやりとりするのって、自分の学びに還元されるんだよね。私は看護系大学で教えていたことがあるんだけど、病院に実習に連れて行った後、学生たちの取り組み方が目に見えて変わるの。今の自分に何が足りないのか、実習を通して学ぶんだよね。松本くんのように、ためらわないで現場に飛び出していけるのは、大事なことだと思うよ。
松本 そうですね。僕は「仮設カスタマイズお助け隊」の活動を始めてから、モノを介したコミュニティ作りや居場所作りの研究をしていきたいと思うようになりました。将来の仕事にも、こういう経験を生かしていければと思います。

「大学外での活動を通して、社会に出た後のことを少しずつでも考えていってほしい」と伊藤先生

心身ともに癒やされる
快適なデザインを研究しています

心身ともに癒やされる
快適なデザインを研究しています

伊藤研究室

看護学を通して、人々の心と身体の健康を維持できる安全安心な生活・社会について考えます。幼児期から老年期までの発達段階の特徴、心身に起る疾患や機能障害について理解を深め、それぞれに合った支援方法を研究します。使い手の視点に立ち、誰にでも使いやすい道具、人にやさしい住空間などをデザインできる技能を身につけます。

伊藤研究室

伊藤 美由紀 准教授

1991年東北大学医療技術短期大学部看護学科卒業後、東北大学病院で勤務。東北大学医学部保健学科看護学専攻助教を経て現職。宮城大学大学院看護学研究科修士課程修了。看護学修士。主な研究分野は、疾患や機能障害を抱える方の意識や自己決定に関する研究。担当科目は、看護学入門、在宅看護論ほか。
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伊藤 美由紀 准教授

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